水泳と言えば競技を思い浮かべる人も多いですが、水泳の楽しみはそれだけではありません。
わずか数秒で勝敗が決まる水泳の飛込み競技も、水泳が好きな人はチェックしたいスポーツです。
高いところからただ飛ぶだけではなく、選手には水泳の技術はもちろんバランスなどかなりの身体能力が必要です。
近年では1回転半から2回転が主流だった飛び込みも、今は3回転もしくは4回転と難易度も上がっています。
見どころをおさえつつ、ルールや種目についても解説していきます。
わずか2秒で勝敗が決まってしまう飛び込み競技
水泳飛び込みはわずか2秒半くらいで勝敗が決まってしまう、非常に短い競技です。
そして短い時間の中に高度な技を入れ込まなければならない、難易度の高い競技でもあります。
日本では明治時代に広まったとされていますが、未だ日本人はメダルを獲得していません。
最もメダルが多いのはアメリカですが、育成環境を整えている中国も注目選手が多くいます。
水泳の飛び込みは普通の水泳競技ができるプールではなく、飛び込み専用のプールが必要なため選手数も指導者もまだ少ないのが現状です。
水泳飛び込みのルールや技について
水泳の飛び込み競技は3つ種目があります。
ひとつは3mのしなりのある飛び板から飛び込む【飛び板飛び込み】と、弾力性のない10mの高さのコンクリートの板から飛び込む【高飛び込み】があります。
また2名1組の【シンクロナイズドダイビング】があります。
高飛び込み
高飛び込みは男子は6回、女子は5回試技を行います。
飛び込む際の演技の種類は前段階で申告しておき、技の種類によって点数による難易率が決められています。
1回の試技につき、7人の審査員が採点を行いそれぞれお0.5点刻みで0点から10点満点まで採点します。
演技の種目の種類は以下の組合せで決まります。
- 飛び込みの開始方法
- 途中宙返りの有無
- 宙返りの回数
- ひねりの回数
- 飛び込み時の基本姿勢の型
飛び込みの開始方法には6つの方法があり、前から飛ぶのか後ろから飛ぶのか種類があります。
- 前飛込(前を向いて前方に回る)
- 後飛込(後ろを向いて後方に回転する)
- 前逆飛込(前を向いて後方に回転する)
- 後踏切前飛込(後ろを向いて前方に回る)
- 捻り飛込(ひねりを加える)
- 逆立ち飛込(飛び込み台で逆立ちしてから演技を行う)
また宙返りの回数やひねりの回数が多いほど得点があがります。
飛び込み時の基本姿勢の型については4つ種類があります。
- 伸び型(両足を揃えて入水)
- えび型(体を腰で折り両足は伸ばしたまま)
- 抱え型(宙返りに最も適した型で体を小さく丸める)
- 自由型(上記の3つを組み合わせても良い9
飛び板飛び込み
飛び板飛び込みは長さ3mの弾力性のある板から飛び込む競技で、高飛び込みと同様に男子は6回、女子は5回試技を行います。
高さは1mと3mの2種類があり、また演技の種目の種類は高飛び込みと全く同じ組み合わせです。
飛び込みの開始方法については、高飛び込みは捻り飛込がありますが、飛び板飛び込みにはそれがありません。
よって5種類の開始方法になります。
飛び込み時の基本姿勢の型は、高飛び込みと同じく4種類に分かれています。
飛び板飛び込みは、高飛び込みよりも高度なテクニックが必要となり、高飛び込みから飛び板に移行する選手が多くいます。
シンクロナイズドダイビング
オーストラリアで1998年に開催された世界選手権で行われた新しい種目です。
飛び板飛び込みと、高飛び込みそれぞれの種目があり、ひとりではなく2名で飛び込むスタイルです。
得点の占める割合は演技が4割で、同調性が6割なので1人1人が良い演技をしたとしても、同調性がなければ高い得点にはならないのです。
ダイナミックな競技姿が水泳飛び込みの見どころ
水泳飛び込みは高いと10mから飛び込みを行うため、選手に恐怖心があるとできない競技です。
そのためダイナミックさも必要ですが、水しぶきをあげると減点になるため技の美しさも必要になります。
水しぶきを上げない飛び込みをノースプラッシュと言いますが、唇をはじくような音だけの入水方法をリップ・クリーン・エントリーと呼ばれ最高の入水方法になります。
観戦に行くなら、飛び込みにおける入水時の型や水しぶきの有無を楽しむと良いでしょう。
水泳飛び込みのまとめ
日本人ではまだメダル獲得がない競技ですが、ジュニアや中高生を対象とした水泳競技大会が国内で行われています。
他にもジャパンダイビングカップや、国外だとFINAダイビンググランプリや世界選手権、またアジアカップなどが見どころのメジャーな大会でしょう。
オリンピックにはワールドカップと世界選手権の上位が出場できる仕組みになっています。
強い選手を観戦したいのであれば、ワールドカップなどの世界大会に注目すると良いでしょう。
難しい技を組み合わせれば得点は高くなりますが、それだけ難易度も上がります。
選手がどんな技を組み合わせたのか、作戦方法などもあわせて見ると楽しく観戦ができるのではないでしょうか。