水泳と自転車、そして長距離を走るため、鉄人レースとして知られているスポーツがトライアスロンです。
欧米ではマラソンよりも人気のあるスポーツで、男女共に競技人口が多いスポーツとして知られています。
個人戦が基本的な戦い方ですが、中には団体競技もあります。
3つの競技それぞれにルールや細かい禁止事項が決められているので、観戦に行く人は事前に知っておくとより一層楽しめるでしょう。
記録ではなく着順を競うのがトライアスロン
トライアスロンは全国に広く知られていますが、競技となったのは1974年のアメリカで、比較的新しいスポーツなのです。
スイムとバイク、そしてランの3つの種目を断続的に行うことから、ラテン語で3を意味するtriと競技を意味するathlonを組合せてトライアスロンと呼ぶようになりました。
ところで、トライアスロンは記録ではなく着順で優勝を競い合います。
身体的な負担は実はフルマラソンよりも少ないと言われており、世界トップクラスの選手であればスタンダードは2時間程度でフィニッシュしてしまう競技です。
トライアスロンの種類
トライアスロンの競技距離は4つに分かれています。
- スタンダード・ディスタンスまたはオリンピック・ディスタンス(スイム1.5km、バイク40km、ラン10km)
- スプリント・ディスタンス(スイム0.75km、バイク20km、ラン5km)
- ロング・ディスタンス(スイム4km、バイク120km、ラン30km)
- アイアンマン・ディスタンス(スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km)
スプリントよりも短いショートもありますが、正式名称がある訳ではなく基本的に上記の4つになります。
これら以外にも様々な距離設定で大会は行われており、複数で各種目を分担するリレー形式のトライアスロンもあります。
オリンピックではスタンダード・ディスタンスで行われ、日本代表選考会も同じ距離になります。
ロング・ディスタンスは毎年国際トライアスロン連合(ITU)の、ロングディスタンス・トライアスロン世界選手権が行われ、日本代表選考会も毎年行われています。
主な世界と国内の大会はこちらです。
▲トライアスロンの世界大会
- オリンピック
- 世界選手権
- ワールドカップ
- チャレンジ・ファミリー
▼トライアスロンの国内大会
- ジャパンカップ
- 国民体育大会
- 日本選手権
距離によって大会が異なるため、各国様々な地域で行われており学生大会もあります。
トライアスロンのルールについて
それでは続いてトライアスロンのルールについて説明していきます。
スイム
スイムはただ距離を泳ぐ以外にもルールがあります。
★水底に立ったり静止物につかまり休息して良いが、つかんだままの水泳は禁止
★選手は所定のスイムコースに従わなければならない
バイク
バイクのルールを見てみましょう。
★バイクチェックイン時と異なるバイクの使用禁止
★他の選手をブロックするのは禁止
★トランシジョンエリアの乗車は禁止で決められたエリアで乗降車する
★大会によってはドラフティング禁止(前のバイク選手を風よけに使うこと)
ラン
一見走るだけと思われるランにも規定があります。
★固定物を支点にカーブを曲がらない
★1周回以上速い選手と並走してはならない
このようにスイムもバイクも、そしてランにもそれぞれルールがあります。
他にも給水所以外でアシストを受けられないため、コンディションがカギとなります。
仮にパンクしたりメカトラブルが起きても、自分で対応しないと失格になってしまいます。
見どころは開催地のロケーションも楽しめる
トライアスロンが行われる開催地は、風光明媚な場所や自然の多い場所で行われることも多いです。
そのため環境やその日の天候など自然を思いきり楽しみながら観戦することができます。
また水泳から自転車に変わる際にはトランシジョンと言って着替えを行いますが、着順に関わるためトップクラスの選手ともなると10秒ぐらいで着替えを行います。
素早い早変わりの様子や、選手同士の駆け引きが見どころでしょう。
また鉄人レースと言われていますが、実は市民も参加できる大会もあります。
強い肉体を手に入れられるだけでなく、ここまで達成感や充実感を感じられるスポーツは他にはあまりないのではないでしょうか。
ストレス発散のために行う人も多い競技でしょう。
トライアスロンのまとめ
ロング・ディスタンスのトライアスロンは10時間を超える競技時間になり、鉄人レースと呼ばれているのもうなずけます。
オリンピックやメジャーな大会で行われるのはスタンダード・ディスタンスが多く、3種類の競技をはじめから終わりまで飽きることなく見られるスポーツです。
またトライアスロンは通常個人戦ですが、東京オリンピックであれば国別対抗で男女4人組ペアも行われるため、チーム戦としても楽しめる競技になっています。
エリートは世界大会に出るような選手が揃っていますが、実はエイジ部門というアマチュアがあるのも特徴です。
多くの芸能人がここで活躍しており、トライアスロン初心者や運動好きな人が気軽に始められるスポーツでもあるのです。