高校野球の全国大会は、春の選抜と夏の甲子園の2大会があります。
夏の甲子園大会は、全国47都道府県の予選を勝ち抜いた47チームによって争われるものですが、春の選抜高校野球大会は関東、東京、東北、北海道、関西、四国、九州、沖縄といった各地区の代表が出場できる大会となっています。
よってまずは県大会を勝ち進まなければいけません。県大会で優勝または準優勝し、各都道府県の上位のチームがそれぞれの地区大会に出場できます。
そして各地区大会のベスト4に入ると、選抜高校野球に推薦される仕組みとなっています。
(地域によってベスト8からの推薦もあり)
そのため各県から2チームが出場出来る場合もあれば、1チームも出れない県も毎年のように出てきてしまいます。
このように出場枠が異なる大会のため、ある意味で見どころが多々ある野球大会とも言えます。それでは今回は平成時代の春の選抜高校野球の名場面を振り返ってみたいと思います。
春の選抜高校野球の名場面
2019年の春の選抜高校野球大会は、平成の最後を飾る選抜大会ということで大いに盛り上がりました。
2018年の高校野球は春、夏ともに最強世代と言われた大阪桐蔭の春夏連覇で幕を閉じましたが、2019年も負けずに熱い夏が繰り広げられそうな予感がする春の選抜野球大会でした。
2019年は、甲子園大会期間中で準々決勝翌日の休養日に新元号が発表され、令和に決まったこともあり、より一層平成最後の大会という感じをさらに実感させるタイミングの大会となりました。
そして何よりも平成最初の大会の選抜優勝校である「東邦高校」が平成最後でも優勝をした事で、平成元年の優勝シーンが何度もメディアにクローズアップされました。
さらに準決勝では、平成元年の優勝決定時に暴投をしてしまった元プロ野球選手である、上宮高校の種田選手の暴投のシーンを彷彿とさせるシーンが起こりました。その時点で東邦高校の優勝を予感させるようで、平成の時代をより強く感じさせる大会のようにも見えます。
私はというと、毎年春の選抜甲子園大会の開幕を楽しみにし、大会が開幕することで春を実感します。
大会が始まると、第1試合から最終試合の終了まで、会社のパソコンのデスクトップの1つは高校野球速報が開き放しになり、仕事の合間に随時速報をチェックしてしまいます。
社内でも高校野球の話題が中心になります。
ごはんがおいしいとか治安がいいとか、あるいは海外旅行に行った帰りとかに「日本人でよかった」と友人とも話したことがあるのですが、私は甲子園大会を見ている瞬間も日本人に生まれて幸せと思える瞬間です。
選抜高校野球から生まれたヒーロー達
平成の31回を数える選抜高校野球大会の歴史を振り返ると、様々な印象に残る名場面が思い出されます。
1992年、甲子園のラッキーゾーンが撤去された最初の大会の開幕試合でいきなり星稜高校・松井秀喜選手が放った2打席連続ホームランは衝撃的でした。
ラッキーゾーンとは、本来のホームランのフェンスの前に設けられた柵の中の事で、高校生でもホームランが出やすいようにしたものです。
松井秀喜選手は1、2年時にも甲子園に出場し、ホームランも打ってはいましたが、本当の意味で注目され始めたのは、3年のこの大会からでした。
もちろん3年生ですと、ドラフトの対象となる年なので当然かもしれませんが、これが後の巨人軍の不動の4番、メジャーリーグのワールドシリーズMVP、国民栄誉賞へのスタートでした。
そして、1994年の金沢高校の完全試合や2004年のダルビッシュ投手のノーヒットノーラン、その後夏にも初出場で決勝進出を果たすことになる済美高校の初出場初優勝もすごく印象的でした。
平成の選抜高校野球を振り返りながら、令和の高校野球もどんな名場面、名選手に出会えるのか早くも今から楽しみです。
松井秀喜や松坂大輔を育てた高校野球の名将の名言
選抜高校野球からはたくさんの名言も生まれています。
ここでは特に代表的な人生にも影響与える素晴らしい名言を紹介します。
スーパースターを生んだ高校野球名将の教え
高校野球やプロ野球を見ていていつも思うことがあります。
野球にしてもビジネスにしても、人間のやることですので、心構えや取り組み方など、基本的な本質は同じだということです。
高校野球でもプロ野球でも多くの選手や監督が名言を残していますが、そのほとんどは野球の中だけのものではなく、物事の本質をついた、ビジネスや人生の生き方の指針としても応用できるものばかりで、特に私が普段意識して思い返す言葉が2つあります。
松井秀喜に影響を与えた名言
1つは星稜高校の元監督で、引退後に国民栄誉賞を受賞された松井秀喜選手を育てた、山下智茂監督の言葉で、「心が変われば行動が変わる」というものがあります。
そして、「行動が変われば習慣、習慣が変われば人格、人格が変われば運命が変わる」と続きます。
松井選手も山下監督から送られたこの言葉を大切にしていたそうです。
人生嫌なことや報われないことなどが続くことも多く、私も嫌になったり、腐りそうになったりすることもありますが、そういう時はこの言葉を思い出し、心から変わることを意識しています。
そうすると本当に不思議で行動や習慣も変わっていくのがよくわかるのです。
さすがに人格までは自分自身ではよくわからないのですが、行動や習慣が変わることで、嫌な結果しか出なかったものが好転することも多く経験しました。
松坂大輔に影響を及ぼした名言
もう1つよく思い返す言葉は、横浜高校元監督で、松坂大輔投手を擁し、甲子園春夏連覇を達成したことでも有名な渡辺元智監督の「目標がその日その日を支配する」という言葉です。
社会人になりたてのころ、あるいは昇進して新しい役職についた時、また転職して新しい会社に入った時など、新しい環境に入った時というのは、誰でもモチベーションが最大に高く、目標を設定して意識の高い状態で仕事に取り組めると思います。
ですが、少しずつ時が経ち、同じことの繰り返しのような毎日になってくると、どうしても初心や最初に立てた目標を見失いがちになってしまいます。
そういった時に私はこの言葉を思い出し、初心を取り戻すことで、新たに目標設定を行い、それまでの気持ちをリセットするようにしています。
これ以外にもプロ野球の選手や監督、そしてその選手や監督を育てた高校野球の監督の名言には、ビジネスや人生におけるヒントがたくさん詰まっています。
逆境にあった時こそ、こういった野球界の偉大な方たちの言葉からヒントを見つけ出し、勇気を持って前に進み続ける人間でありたいと思います。