ハンドボールというスポーツについてなんとなくは知っていても、ルールまでは知らない方も多いのではないでしょうか?
ルールやポジションについてよく知ることで、ハンドボールの魅力はぐっと増すものです。
ハンドボール観戦を2倍楽しめるよう、詳しいルールや見どころを見ていきましょう。
ハンドボールはどんなスポーツ?
ハンドボールは読んで字のごとく、手を使ってボールをシュートするスポーツです。
コートを走り回りながらシュート時はジャンプするため<走る、投げる、跳ぶ>の3要素が揃ったスポーツと言われます。
サッカーから派生した競技
ハンドボールの起源は、19世紀から20世紀初頭にかけてのヨーロッパです。
サッカーをもとに考案された競技で、ボールも初めはサッカーボールが使用されました。
初めはサッカーと同じ11人制が主流でしたが、世界的に広がる中でルールの修正と統一を経て、現在の7人制となりました。
今ではヨーロッパをはじめとし、世界200カ国以上で行われる人気スポーツに成長しています。
その歴史から、基本的にはサッカーに似た競技性と、手を使用するバスケットボール要素の混合が大きな特徴です。
ハンドボールの基本ルール
ハンドボールの試合は、各チームゴールキーパー1名を含めた7名ずつで行います。
試合時間は前半後半それぞれ30分の計1時間で、間に10分から15分のハーフタイムが挟まれます。
コートサイズは40メートル×20メートル、ゴールサイズは高さ2メートル×幅3メートルで、フットボールとほぼ同規格です。
基本的には屋内競技ですが、コートの広さから屋外で行われることもあります。
ボールはバスケットボールやバレーボールよりも小さく片手で持てる大きさで、年齢と性別によってサイズと重量が異なります。
得点は減点なしの加点制で、より多くの得点を決めたチームの勝利です。
ボール全体がゴールラインを通過すると1点が入ります。
細かい決まりや反則について
ハンドボールにおける体の使用部分は膝から上で、パスやドリブルでボールを運びます。
ボールの保有時間は3秒までで、ボールを持って3歩までのステップが認められています。
ゴールから6メートルの半円はゴールエリアとなっており、守備側のゴールキーパー以外は入れません。
ただしジャンプシュートのように、ゴールエリア内でも空中であればプレイ可能です。
また、過度な妨害やボールを足で蹴る等の反則を行った場合、ペナルティとして内容により7mスローやフリースローの権利が相手チームに与えられます。
さらに、危険行為や反則を繰り返し行った場合は、2分間の退場となり、この間の交代出場はできません。
ハンドボールのポジションと役割
ハンドボールの7名のチームには、各1名ずつポジションがあり、それぞれの役割があります。
ポジション毎の役割を見ていきましょう。
フローター
オフェンスの中心となるポジションを総称してフローターと呼び、次の3つからなります。
- センターバック
- ライトバック
- レフトバック
センターバックはオフェンスの中央に位置する、チームの司令塔的存在です。
パスを回して攻撃の機会をうかがい、時には自らもシュートを放ちます。
ライトバックとレフトバックは自陣から見てそれぞれ右側と左側に位置する対照的なポジションです。
ゴールから少し遠い位置でのロングシュートやミドルシュートが得意な選手に向いています。
ゴールとの位置関係上ライトバックには左利きが有利とされ、レフトバックはその逆とされます。
また、中でもライトバックは得点を求められる機会が最も多く、いわゆるエースポジションです。
ウイング
ライトウイングとレフトウイングの2つからなり、自陣から見てコートの右端、左端に位置します。
コート中央に出る機会こそ少ないですが、パスに対して瞬発的に飛び出す力が要求される、速攻時のキーポジションです。
また、角度のない場所からシュートを打つ場面が多いため、高いシュート技術が求められます。
ポストプレーヤー
相手のゴールエリア付近に位置し、相手ディフェンスとの接触が多いポジションです。
接触に負けない屈強な肉体が必要で、高度なパスキャッチ技術が求められます。
そのため、大柄な選手が多い傾向にあります。
ゴールキーパー
自陣のゴールを守るディフェンスの要です。
シュートに素早く反応できる力だけでなく、カウンター時の起点も担います。
他のポジションの選手と区別できるよう、異なるユニフォームを着用します。
ハンドボールのメジャーな世界大会
世界200ヵ国でプレイされているハンドボールには、どのようなメジャー大会があるのでしょうか?
世界ハンドボール選手権
国際ハンドボール連盟によって開催されている、ハンドボールの世界一決定戦です。
男子と女子それぞれに分かれています。
男子大会は1938年に第1回大会が開かれて以降、ヨーロッパを中心に開催されています。
一方の女子大会は少し遅れて、1957年に第1回大会が行われました。
どちらも現在は2年に1度、冬季に開かれており、ハンドボールにおける最高峰の大会の1つです。
オリンピックのハンドボール競技
ハンドボールが初めてオリンピックに採用されたのは、1936年のベルリン大会の男子競技でした。
ベルリン大会以降はしばらく未実施が続きましたが、1972年のミュンヘン大会で再び採用され、以降は毎回採用されています
また女子大会も、1976年のモントリオール大会から採用され続けています。
世界選手権と並び、最高峰の大会の一つです。
その他のメジャー大会
上記2つの大会以外のメジャー大会として、男女のアジア選手権があります。
2年に1度開催されるアジア最高峰の大会で、世界選手権の予選も兼ねています。
また、アジア版オリンピックと言われるアジア競技大会でも、ハンドボール競技が採用されています。
ハンドボールまとめ
ハンドボールはサッカーとバスケを合わせたようなスポーツで、力強いシュートと激しいボディーコンタクトが特徴です。
ヨーロッパを中心として世界中に広がり、オリンピックにも採用される人気競技となりました。
スピーディーで迫力ある試合はもちろん、ルールとポジションを知ることで、戦術的な駆け引きも楽しめます。
他の球技とは一味違うハンドボールの魅力を、ぜひ体感してみましょう。