マラソンスイミングって何?既定の泳法はある?過酷なルールとは

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水泳競技と聞けば室内プールでの競技を思い浮かべる人も多いでしょうが、実は自然の湖や海で競い合うスポーツもあるのはご存知でしたか?

オープンウォーターとも呼ばれるマラソンスイミングもそのひとつで、注目の日本人選手もいます。

競技場所が自然ということもあり、その日の天候や水温、また近年では悪臭問題など様々なコンディションに左右されがちです。
しかしそんな中でも10kmを泳ぎきるアスリートの技術力に目が離せません。
既定の泳法も調べてみました。

これからアジアでも普及が期待できるオープンウォーター

マラソンスイミングとは室内プールではなく、自然の湖や海などを10km泳ぎ切り、10km泳ぐのにかかったタイムを競い合う長距離競技です。
予選や準決勝のようにラウンドは分かれておらず、決勝のみを行うためマラソンなどと同様に一発勝負になります。

この競技は国際水泳連盟が競技規則のもと、国際的にルールを統一しています。
ヨーロッパやオセアニア地方で1980年ごろから広まった競技のため、メダルは欧州勢が多いです。

しかし日本人選手も強い選手がいるので、アジアや日本でもこれからが期待できる競技です。

マラソンスイミングのルールについて

泳ぎのタイムを競い合うというシンプルな競技ですが、マラソンスイミングにもルールが決まっています。

競技エリア

競技エリアはブイで確認します。
選手の安全性を確保するため、できるだけ水の流れが穏やかな場所が選ばれています。

スタートは視覚と聴覚に訴える合図で行われます。

泳法について

マラソンスイミングでは泳ぎ方は自由です。

選手は途中で海底に立っても失格にはなりませんが、そのまま歩いたりジャンプすることは禁止されています。
また浮力があるウエットスーツの着用は禁止されていますが、以下の用具はつけても構いません。

  • キャップ
  • ゴーグル
  • 耳栓
  • ノーズクリップ

フィニッシュについて

選手がフィニッシュラインに到達した時にゴールになります。
記録の判定はマイクロチップとビデオ撮影で行われます。

主な大会はある?

マラソンスイミングは日本各地で一般人向けの大会が行われています。

オリンピックの正式競技に決まったのは2008年と新しく、また2016年には国体の正式種目にもなっています。
オリンピックでは10kmを競い合いますが、10km以下の距離はロングディスタンススイミングと呼ばれています。

一般向けの市民大会などでは5kmなど短い距離が行われていますが、世界選手権では5km、10km、25kmと種目が分かれています。
トップクラスの選手では10kmであれば、2時間くらいのタイムで泳ぎきります。

マラソンスイミングはワールドシリーズやワールドカップもありますが、日本でも様々な大会が増えており、いかに注目を集めているかが分かります。

さらに日本水泳連盟はOWS検定を行っており、1級から5級まであります。
種目は1km~10kmまでと幅広く分かれており、1級の場合は1500ml自由形を22分30秒以内で泳げて400ml個人メドレーを完泳できる条件となっています。
1kmの検定もあるため、一般市民が気軽に参加できるような場を設け、競技人口を増やそうとする動きも見られます。

危機管理を選手がどう対応しているのかが見どころ

マラソンスイミングは自然を相手に泳ぐため、その日の天候や水質などを前もって予測する力が選手には必要です。
時にはクラゲや海の生物が近くにいることもあり、潮汐などどんな状況でも対応できる能力が求められます。

選手同士がぶつかったり、競泳中は様々な影響を受けやすいため選手にどれだけの危機管理があるかも問われるのが特徴です。
ただ泳ぎが得意だけではトップクラスの選手になるのは難しく、いかに厳しい条件で練習を重ねたかという部分が見どころです。
自然環境での泳ぎの経験や知識が豊富に必要な競技と言えるでしょう。

スポーツというよりはサバイバルに近いため、ハラハラドキドキする状況を楽しみたい人におすすめの競技です。
水泳技術だけでは勝つことができないという部分にOWSの魅力があると言って良いでしょう。

まとめ

波のうねりを上手く利用して順位を上げたり、選手の群れから離れたところで一気に前に出たりと、選手ごとの作戦が見られるのも楽しい部分のマラソンスイミング。

他の競技と比べれば正式種目になったのが新しく、日本ではまだマイナーな競技なのは事実です。
しかし前回、前々回とオリンピックでも日本人で活躍している選手もいます。

これからどんどん発展していく競技の成長を見守るのも、スポーツの醍醐味ではないでしょうか。

また市民大会も国内様々な所で行っているので、水泳や自然、サバイバルな環境が好きな人はまずは1kmからチャレンジしてみるのもおすすめです。

遠泳とは違い、ルールを守りながらの長距離水泳になるため、ルールを前もって知ってから楽しむようにすると良いでしょう。

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