女子新体操の華麗なる魅力とテクニック【個人と団体戦の見どころとルール】

新体操 スポーツ

華やかな女子競技の象徴でもある「新体操」は、美しさや力強さが表現される人気の競技です。

手具(新体操の道具)ごとに発揮される様々なテクニックも新体操ならではの見どころです。
手具の種類や個人競技と団体競技の特徴など、新体操の基礎知識をまとめてわかりやすく解説します。

新体操とは(Rhythmic Gymnastics)

体操の一種である女子新体操はリボンやクラブ、ボールなどの手具を使いながら音楽に合わせてリズミカルに演技を行い、芸術性や美しさを競う競技です。

演技は13メートル四方のフロアマットで行われ、主に難度と芸術、実施の3項目に分けて採点が行われます。

体操競技とよく似た部分もありますが、新体操では宙返りのようなアクロバットは禁止されています。

後述する主な国際大会では今のところ女子のみを対象に競技が行われていますが、最近はよりダイナミックな演技が特徴の男子新体操も普及や国際化が進んでいます。

競技に用いられる手具

新体操リボン演技

新体操で演技に用いられる手具は次の5つで、大会で指定される手具は年度によって変わります。

  • リボン
  • フープ
  • ボール
  • クラブ
  • ロープ

★新体操のイメージを代表する手具でもあるリボンは、回したり投げたりする動作を行って軌跡で美しさを表現します。
流れるような動きを常に維持するために、手首が相当に強くなければ扱えない手具です。

★フープはいわゆるフラフープのことで、高く投げたり身体を通したりすることで、ダイナミックな動きや柔軟性を表現できる手具です。

★リボンとならんで新体操のイメージを強く印象付けるボールは、扱いが非常に難しい手具です。
身体の上を吸い付くように移動させたり高く投げ上げたボールを、自然な流れでキャッチしたりといった動作は特に見ごたえがあります。

★2本セットで扱うクラブは左右で異なる動きを表現する場合もあり、高い集中力を必要とする手具です。
落下による衝撃で壊れやすいため練習のときから細心の注意を払う必要があり、習得には多くの時間を要します。

★ロープはそのフレキシブルな形状から多彩な演技とともに躍動感を表現できる手具で、長さには制限がなく選手ごとに使いやすいものを選んでいます。
洗練された技術で操られるロープは、ステップやジャンプなどの動きに伴って自在に様相を変えます。

女子新体操の主な競技種別(演技種目)

新体操の競技は個人と団体それぞれで行われます。

個人競技は大会や年度ごとに決められている4種目の演技を行うもので、1種目あたりの制限時間は1分15秒から1分30秒。
5人1チームの団体競技では最大2種類の種具を用いて2分15秒から2分30秒以内で演技を行います。

ともに伴奏を付けて行う自由演技として、大会の規定に沿って構成しなくてはなりません。

オリンピックの個人競技ではロープ以外の4種目が行われます。

選手によって得手不得手も変わりますが、個人団体ともにすべての手具における基礎練習が重要といえるでしょう。
11歳以下のジュニア競技では5種類すべての手具で実施されるのが一般的です。

新体操の採点基準

新体操エクササイズ

採点は次の2項目の合計で計算されます。

  1. 難度点(Dスコア)
  2. 実施点(Eスコア)

技の難度を示すDスコア

Dスコアで採点基準となるのは次の4点です。

  • 身体難度(BD)
  • ダンスステップコンビネーション(S)
  • 回転や手具の投げを伴うダイナミック要素(R)
  • 手具難度(AD)

演技構成はBDを3個から9個、それ以外を最低1個は入れる形で行わなくてはならず、正確に実施した演技について得点が加算されていきます。

Dスコアはこれまで10点満点で採点されてきましたが現在は上限が撤廃されています。

演技の出来栄えを示すEスコア

新体操ボール演技

Eスコアは持ち点である10点満点から、芸術的欠点と技術的欠点を減点する方式で算出されます。

芸術的欠点として減点される要素には次のようなものがあります。

  1. 演技構成の統一感がない
  2. 技と技のつなぎがスムーズでない
  3. 音楽や振り付けとの調和が取れていない

身体や手具の扱いなどに関する技術的欠点は次のような点です。

  1. 重い着地
  2. 許可されていない技術の使用
  3. 不正確な軌道や受け

このほか制限時間の超過も1秒につき0.05の減点となります。

なお国際体操連盟(FIG)は美しさや芸術性などの部分において新体操の魅力をより高めることを目的に、東京オリンピック後の2021年より得点区分を新設する方針を示しています。

新設される区分はEスコアの判定基準である芸術的要素を独立させた芸術点とし、得点の配分などが今後決められる予定です。

女子新体操の見どころと注目ポイント

新体操

新体操は全体を通して躍動感溢れる演技が見どころの競技ですが、巧みな手具さばきや難度の高い大技などは特に目を引くポイントです。

モダンバレエの要素も兼ね備えているため柔軟性や力強さ、精神力なども強く要求される競技で、完成度の高い演技は人を強く惹きつけます。

また演技だけでなく着用するレオタードの色やデザイン、表情などの部分でも美しさが表現されている点にも注目です。

新体操の主要な国際大会

新体操の主な国際大会には次の4つが挙げられます。

  • オリンピック
  • 世界新体操選手権
  • 世界新体操クラブ選手権
  • ヨーロッパ体操競技選手権

オリンピック以外の3つは世界三大選手権といわれ、基本的に毎年開催されています。

東京体育館で開催される世界新体操クラブ選手権はクラブ対抗の大会ですが、個人得点によってシニア個人総合とジュニア個人総合にも表彰が行われます。

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女子新体操まとめ

新体操はリボンやボール、フープなど全5種の手具を使って演技を行う、繊細かつダイナミックな競技です。
競技は個人と団体それぞれで実施され、得点は技の難度を示す難度点と出来栄えを示す実施点それぞれで採点されます。

今回紹介したポイントを頭に入れておくことで、手具さばき流れるような演技構成など、美しく表現される新体操の魅力をより堪能できるでしょう。

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