アーチェリーの魅力と見どころ・細かいルールについて【オリンピック種目】

オリンピック競技のアーチェリー スポーツ

競技自体の認知度は日本でも比較的高いアーチェリーですが、その詳細については知らない人も多いかもしれません。

弓の種類だけでなく競技の形態にも個人や団体、男女のミックス戦など様々なものがあるアーチェリーは、非常に奥が深く面白い競技です。

この記事ではアーチェリーの種類や細かいルールなどについて解説します。

アーチェリーとは

コンパウンドボウとリカーブボウの違い

アーチェリーは弓で矢を射って標的を狙う射撃競技の一種です。

競技としてのアーチェリーでは、日本で古くから使われてきた武具である弓ではなく、【リカーブボウ】や【コンパウンドボウ】と呼ばれる弓を使用します。

弓本体のしなる部分を【リム】といいますが、リカーブボウではリムの両端が反っているのが特徴です。

コンパウンドボウはリムの両端に付いた滑車とケーブルによって、てこの原理を用いて効率良く弓を引くことができます。

様々な環境に設定される標的を正確に射抜く、文字通り針を通すようなコントロールや強靭な精神力が要求される競技です。
心技体が備わった選手達による緊張感のある戦いは見どころ満載です。

弓道の射法

矢を射るときの動作は主に次のプロセスで構成されています。

  1. スタンス(足踏み)
  2. セット(胴造り)
  3. ノッキング(弓構え)
  4. セットアップ(打ち起こし)
  5. ドローイング(引分け)
  6. フルドロー(会)
  7. リリース(離れ)
  8. フォロースルー(残心)

これらは弓道の射法八節に基づくもので、すべての選手がこのプロセスに沿って射るわけではありません。

日本では射法八節の中で精神統一を図りますが、そのような側面をほとんど持たない欧米などでは体格や筋力などを活かしたダイナミックなフォームで射る選手もいます。
射法は国や選手によっても様々ですが、それがアーチェリーの面白いところでもあります。

競技形態

アーチェリーの競技形態は、次の3つに大別されます。

  1. アウトドアターゲットアーチェリー
  2. インドアアーチェリー
  3. フィールドアーチェリー

標的に描かれた円は中心から黄、赤、青、黒、白の順で色分けされていて、それぞれの色はさらに2つに分かれています。

点数は中心に近いものほど高く、中心の10点から外側に行くにつれ1点ずつ少なくなっていきます。

アウトドアターゲットアーチェリー

屋外の競技場で行われる種目です。
標的までの距離は男子が

  1. 90m
  2. 70m
  3. 50m
  4. 30m

女子は

  1. 70m
  2. 60m
  3. 50m
  4. 30m

の4種類で、50mまでを短距離、それより長いものが長距離として区別されています。

長距離では直径122㎝の標的に対して6本の矢を4分以内に射るのを1エンドとし、計6エンド36射。

短距離では直径80㎝の標的に対して3本の矢を2分以内に射るのを1エンドとし、計12エンド36射行い、総合得点で勝敗を競います。

このシングルラウンドは総合計が144射、1440点満点となることから、1440ラウンドとも呼ばれています。
個人戦や団体戦のほか、男女1名ずつがペアを組むミックス団体戦も2011年から世界選手権の正式種目となっています。

インドアアーチェリー

インドアアーチェリー

基本的なルールはアウトドアの場合と同じですが、体育館などの室内競技場で行われるインドアアーチェリーでは標的までの距離が18mと短くなっています。
標的は直径40㎝のものや、5点以下の枠を排除して縦に3つ並べた3スポットターゲットが用いられます。

合計の射数は30もしくは60で、60射の場合は1エンド3射を計20エンド、1エンドの制限時間は2分です。

フィールドアーチェリー

山や森林、野原など自然のフィールドに設置した標的を射るタイプの種目です。

平坦な環境で行うアウトドアターゲット種目に比べて自然の地形が大きく関係するフィールドアーチェリーでは、矢を射る姿勢も様々に変わります。

コースはシューティングラインから標的までの距離が表示されているマークドコースと、表示されていないアンマークドコースに分かれています。

標的までの距離を目測で正確に見積もらなくてはいけないアンマークドコースはより難易度が高くなりますが、レンジファインダーなどの機器を使用することは禁じられています。

主要な国際大会

アーチェリーの主な国際大会には世界選手権とワールドカップ、4年に1度開催されるオリンピックがあります。

世界アーチェリー連盟が開催する世界選手権は世界最高峰の大会で、2年に1度開催されています。
同じく世界アーチェリー連盟が2006年から開催しているワールドカップは唯一の賞金大会でもあります。

アーチェリーでは世界で戦える日本人も多く、これまでに世界選手権やオリンピックなどでも数々のメダルを獲得しています。

まとめ

弓で矢を射るアーチェリーは、標的を正確に射抜くコントロールやメンタリティー、体幹のバランスなど心技体にわたって高いレベルが求められる射撃競技です。

競技は主に屋外で行われるアウトドアターゲットアーチェリーと屋内で行われるインドアアーチェリー、森林や野原などの自然環境で行われるフィールドアーチェリーの3つがあります。

個人戦だけでなく団体や男女のミックス戦などがあり、それぞれに戦略が異なる非常に奥深い競技です。

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