競技としてのスポーツクライミングの特徴とボルダリングとの違いは?

スポーツクラインミング&ボルダリング女子 スポーツ

競技人口が国内外を問わず急増していているスポーツクライミングは、ここ数年で特に注目度が高まっています。
日本では【ボルダリング】という言葉が先行して認知されていますが、ボルダリングもスポーツクライミングの種目の一つです。

単に壁面を登るだけでなくフィジカルやメンタル、タクティカルなど様々な面で高いレベルが要求される競技です。
スポーツクライミング競技の特徴や大会で行われる主な種目、見どころなどをまとめました。

スポーツクライミング(ボルダリング)とは?

クライミングは登攀、つまり登ることを意味する言葉です。

岩壁を登ることをロッククライミング、道具を用いず己の身体や技術のみを駆使して登ることをフリークライミングというなど、登る対象や方法などによってクライミングは様々な種類に分かれます。

その種類のひとつであるスポーツクライミングは、クライミングにスポーツ性を持たせて競技として確立したものです。ボルダリングはスポーツクライミングの中の1種目です。

世界でも競技人口が増え続けメジャースポーツになりつつあるスポーツクライミングは、IFSC(国際スポーツクライミング連盟)によって競技ルールが制定され、ワールドカップや世界選手権が開催されています。

そうした国際大会で戦える日本人も次々に輩出されており、来る2020年の東京オリンピックでもメダル獲得が期待されています。

よく用いられる専門用語

スポーツクライミングでは耳馴染みのない専門用語が頻繁に登場するので、よく使われるものを紹介しておきましょう。

  • ホールド
  • アテンプト
  • 完登
  • オンサイト
  • フラッシング
  • レッドポイント
  • クイックドロー

ホールドは手や足を懸けて身体を支える目的で壁面に設置される突起物で、大きくて掴みやすいホールドをガバ、指を引っ掛ける穴があいているホールドをポケット、足を置く小さなホールドをスタンスというなど、種類によって様々な呼び名があります。

アテンプトは試技に挑戦することで、トライと同義です。

完登は各種目で決められた目標を達成することを指し、ルートの情報を持たないまま初見で登り切る完登をオンサイト、他の選手が登る様子を見たうえでの完登をフラッシングといいます。

1回目の試技でオンサイトトライを行って失敗し2回目の試技で完登した場合はレッドポイントといい、もっとも価値が高いとされるオンサイトでの完登は俗に一撃とも呼ばれています。

登山用具でもあるクイックドローは2つのカラビナをスリングで接続したもので、ロープを引っ掛ける際に使用します。

スポーツクライミングの主要種目

IFSCの認定を受けて公式の競技会に採用されているのは次の3種目です。
2020年に開催される東京オリンピックでも各選手がこの3種目を行い、合計点数で勝敗が決まります。

  1. リード
  2. ボルダリング
  3. スピード

リード

高さ15メートル以上の壁を登っていき、6分間の制限時間内にどの高さまで登れるかを競う種目です。

予選、準決勝、決勝の3ラウンドから成り、各ラウンドにつき1ルートは1回目の試技がオンサイトトライで行われます。

選手は安全確保のために使用するロープを途中のクイックドローに掛けながら登っていき、トップ位置のクイックドローにロープを掛けたら完登です。

途中で落ちたり反則行為があったりした場合にはそこまでの最高到達点が記録となり、最高到達点が同じであればタイムのより速い方が上位となります。

スリリングかつスピーディなクライミングが展開される、見ごたえのある種目です。

ボルダリング

高さ4メートルから5メートルの範囲に設定された様々な課題に挑む種目で、制限時間内により少ないアテンプト数で登った選手が勝ちとなります。

リード種目同様に予選、準決勝、決勝の3ラウンドから成り、各ラウンドには複数の課題があります。
途中で墜落しても制限時間内は繰り返しアテンプトできます。

中間部のキーに設定されたホールドを保持するとゾーンと呼ばれるポイントが加算され、最終ホールドを両手で保持した状態で審判のOKコールを受けると完登となります。

トータルの成績は完登数と獲得したゾーン数、それぞれに要したアテンプト数で判定されます。
身体能力や技術だけでなく、設定された課題をいかにクリアするかという戦略の面でも高いスキルが要求されます。

ダイナミックかつアクロバティックな動きの連続で課題をクリアする様子が見どころの種目です。

スピード

高さ15mの壁を駆け登る速さを競う種目です。

ホールドの種類や位置、角度などはすべて統一された条件に基づいて設置されているので、大会が違っても環境は変わりません。
いわゆるフライングを意味するフォルススタートを犯した場合は一発失格となります。

一流選手の試技を見ると驚くほどのスピードで駆け登っていく様子に圧倒されるでしょう。

そのスピードはまるで人が平地を走っているのかと思ってしまうほどで、世界レベルの選手になると男子は5秒台前半、女子も7秒台前半という驚異的なタイムを叩き出しています。

陸上で行われる短距離走のような緊張感が見どころの種目です。

スポーツクライミング/ボルダリングのまとめ

岩壁や山肌を登るクライミングにスポーツ性を持たせ、競技として確立したものがスポーツクライミングです。今人気のボルダリングもスポーツクライミングの種目の中の一つです。

身体能力はもちろん、パワーやテクニック、完登までの様々な障害をいかにクリアするかという戦術が要求される競技で、一流選手の試技は見る者を圧倒します。

ワールドカップや世界選手権などの国際大会ではリード、ボルダリング、スピードの3種目が採用されています。
よく使われる専門用語も理解したうえで競技を見ると、スポーツクライミングをより楽しめるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました