体操競技の種類と見どころについて【男女別の種目やルールを徹底解説】

体操競技の種類と見どころ 男女別の種目やルール解説 スポーツ

人間が持つ身体能力を極限まで追求する体操競技は、バラエティに富んだ見どころの多い競技でもあります。

じつはオリンピックなどの国際大会では男女で実施される種目が違うのも特徴のひとつ。

ここでは体操競技の採点方式や男女別の種目、それぞれの特徴などについて解説します。

体操競技とは

体操競技は床や鉄棒、平均台などの様々な環境で体操の演技を行い、技の難易度や美しさなどを競う競技です。

競技種別は種目ごとの得点を競う種目別と1人で複数種目を行って合計得点を競う個人総合、複数名が演技し合計得点を競う団体総合に分かれています。

体操選手の鍛え上げられたしなやかな肉体と超人的な演技によって表現される、美しさや力強さが主な見どころです。

体操競技の採点方式

体操競技の採点は技の難度を表すDスコアと、演技のできばえや減点が反映されるEスコアを合計する形で行われます。

DスコアはAからGに分類された価値点と組み合わせ加点、種目ごとに定められた構成についての特別要求に基づいて算出されます。

2006年までは10点満点性でしたが、現在は難度の高い技の登場によって上限がなくなっています。
難度のレベルも50年以上前にはウルトラCという言葉が使われたようにCまでしか設定されていなかったものが、今では種目によってG難度やH難度にまで高まり、分類ごとに配点が定められています。

体操競技の主な種目

体操競技の主な種目は、男女で下記のように分かれています。

男子体操競技種目一覧

  • 床運動
  • 鞍馬
  • 吊り輪
  • 跳馬
  • 平行棒
  • 鉄棒

女子体操競技種目一覧

  • 床運動
  • 跳馬
  • 段違い平行棒
  • 平均台

床運動

単に「ゆか」とも呼ばれる床運動は男女共通して行われる体操競技の代表的な種目ですが、男女では趣が少し異なります。

男子は平均わざや静止わざ、跳躍わざといったそれぞれの動作を組み合わせて演技を行うのに対し、女子はよりアクロバティックな動きやジャンプ、ターンなどを多く取り入れた演技を行い、音楽も使って全体の演技が構成されます。

演技は12メートル四方の範囲で行われますが演技中に必ず四隅に到達しなくてはならず、ラインからはみ出たり、男子70秒女子90秒の制限時間を超えたりすると減点の対象となります。

鞍馬

乗馬の鞍を模した鞍馬という器具を用いて行われる種目で、腕で身体を支えた状態で止まらずに振動や移動、旋回などの動作を繰り返す種目です。

演技中に鞍馬から落下するほか、身体が静止したり着地で足以外を着いたりした場合には減点となります。

吊り輪

2本の吊り輪を使って腕のみで身体を支えて振動技や静止技を繰り返す種目で、男子のみを対象に実施されています。

他の種目とは違って静止技が重視される傾向にあり、腕力や身体のバランスが高いレベルで要求される非常にハードな種目です。

難度の高い技をいかにクリアするかで得点が大きく変わってきます。

跳馬

女子体操跳馬

(出展ヤフーニュース サンスポ/アフロスポーツ)

助走から踏み切りを行って跳馬に手を付いて跳び上がり、空中で演技を披露する種目です。

演技が連続する技の組み合わせで構成される他の種目と違い、ひとつの技で1発勝負をかける形になります。
前後方への回転や捻りなど様々な技があり、初めて発表した選手の名前を冠したものも少なくありません。

平行棒

2メートルの高さに設置された2本の棒を使って演技を行う種目です。

平行棒にぶら下がった状態から開始される演技は、片方あるいは両方の棒にぶら下がった状態でいくつかの技を披露した後着地動作を以って終了となります。

近年は静止技よりも振動技を使った流れのある演技が評価される傾向にあります。

鉄棒

高さ280㎝の鉄棒を使って演技を行う種目で、コバチ、コールマンなどの手放し技や大車輪など、一般にも広く知られる技も多い人気種目でもあります。

演技中に落下する、懸垂や倒立姿勢で静止するなどの行為は減点となります。
また着地に至る最後の技である終末技では、D難度以上の技を行わなくてはいけません。

段違い平行棒

170cmと250cmの高さで平行に設置した2本の鉄棒を使って演技を行う種目で、女子のみに採用されています。

2本の鉄棒の間を行き来する移動技はこの種目ならではの見どころで、通常の鉄棒で繰り出される技を含めたバリエーションの多さに特徴があります。

鉄棒種目と同じく演技中の落下や静止、足以外での着地は禁止行為として減点の対象となります。

平均台

 

女子体操平均台

(出展ヤフーニュース(時事通信社))

幅10cm長さ5m高さ1.25mの平均台の上で演技を行う種目です。
高いバランス感覚やしなやかさが求められる種目で、段違い平行棒と同じく女子のみで行われています。

1分10秒から1分30秒までの演技時間で前転やターン、宙返りなどの技を繰り出し、終末技からの着地を以って終了となります。
わずかなバランスの崩れが落下につながるため、恐怖心に打ち克つ精神力も要求される種目です。

体操競技の主要な国際大会

体操競技が行われる主な国際大会はオリンピックとFIG(国際体操連盟)が主催する世界体操競技選手権があります。

世界体操競技選手権は元々2年に1度開催されていましたが、現在はオリンピックがない年に毎年開催されています。
オリンピックの前年に開催される世界選手権で一定の成績を収めると翌年のオリンピック出場権が獲得できます。

このほかヨーロッパやアジアでもそれぞれ選手権大会が開催されています。
2008年大会まで開催されていたFIG体操ワールドカップは、2009年に廃止となっています。

体操競技まとめ

体操競技は高い身体能力やバランス能力を持つ選手が様々な演技を行い、得点を競う競技です。
採点は技の難度を表すDスコアと演技のできばえを表すEスコアの合計で行われますが、技の難度は年々上がっています。

男子は床運動や鞍馬などの6種目、女子は跳馬や段違い平行棒などの4種目を行います。
種目ごとに特性が異なるため様々なな見どころがあるのが体操競技の大きな魅力です。

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