霊長類最強女子という異名を持つ吉田沙保里選手をはじめ、日本はレスリング選手に強い選手がたくさんいます。
各地で様々な試合が行われており、観戦に行きたいという人も多いのではないでしょうか?
レスリングのルールは変更も多く、ハンカチ規定など特殊なルールを設けているスポーツでもあります。
基本的なルールを記載していますので、レスリングの魅力を知って観戦する時や始める場合の参考にしてください。
世界最古の格闘技とも呼ばれたレスリング
ギリシャの壁画にはレスリングを行う絵が描かれており、5000年前にはすでに行われていたスポーツと言われるくらい歴史の古い格闘技です。
当時のレスリングも現在と似ており、相手を投げたり倒したりするルールは変わっていません。
当時は裸で行われていたようで、なごりとしてレスリングの服装は上下一体の裸の感覚に近いようなシングレットを着て行われます。
レスリングには2種類の戦い方があります。
- フリースタイル
- グレコローマン
フリースタイルは全身を使いますが、グレコローマンは上半身のみで戦います。
女子はフリースタイルのみで、男子は両方あります。
ちなみにグレコローマンスタイルでは上半身のみで戦うとありますが、フリースタイルでよく使う下半身へのタックルなどができないため、投げ技などのパワースタイルが特徴となります。
レスリングの基本的なルールを一挙紹介
レスリングは直径9mの円の中に1対1で向かい合わせになり、相手を倒してポイントを取ります。
レスリングの規定やルールは細かく変更することもありますが、観戦したい人は基本的なルールだけを抑えておけば良いでしょう。
試合回数や時間
レスリングの試合時間は3分×2回の計6分間で行われます。
短い格闘技だと思いますが、それだけハードな戦い方をするためです。
3分と制限時間はありますが、1秒間フォールをすれば3分経たないまま勝敗が決まることもあります。
採点の仕方
採点方式は以下になります。
★相手を場外に出すと1点
★寝技で相手の両手両足のうち3点を地面につけると1点
★寝技で相手の体を90度仰向けで2点
★背中から投げるか倒す3点
6分間を終えて同点の場合はビッグポイントの多い方を、また警告が少ない方などで勝敗を決めます。
また相手の両肩を床に1秒間付けるとフォール勝ちになり、相手との得点差がフリースタイルは10点差、グレコローマンスタイルは8点差でテクニカルフォール勝ちになります。
反則行為について
レスリングでは激しいスポーツ故に反則行為が決められています。
以下のような反則は口頭で注意されたり、ペナルティが課せられます。
★パンチ
★髪の毛を引っ張る
★キックや関節技
お互いの闘志がぶつかり合う格闘技なので、つい反則技が出やすくなるため厳しい規定の中で試合が行われます。
ハンカチ規定とは?他の特殊なルールも
レスリングには一風変わった規定が存在します。
チャレンジ制度
チャレンジ制度とは判定が微妙な時にビデオ判定を申し出ることができる制度です。
これだけ聞くと変わっていませんが、チャレンジ制度を申し出る時にコーチがリング内にぬいぐるみを投げるという行動が一風変わっています。
試合を見ている時にぬいぐるみが投げ込まれたら、チャレンジだと覚えておくと良いでしょう。
ハンカチ規定とは?
ハンカチ規定とはレスリングではポケットの中にハンカチを入れておかなければ、レスリングの試合をできないというルールです。
また試合前には審判にハンカチを見せないと、試合ができません。
ハンカチには汗を拭くという役割があるからですが、他にも流血した時の止血のためだと言われています。
レスリングの主な大会や見どころ
レスリングの国内での主要な大会はこちらになります。
★明治杯全日本選抜レスリング選手権
★全日本社会人選手権
★全日本学生選手権
★全日本レスリング選手権
全日本レスリング選手権と明治杯は国内大会の2大大会と呼ばれています。
また世界的にはやはり4年に一度のオリンピックが最大の大会となります。
まとめ
レスリングの見どころは何といっても体同士のぶつかり合いです。
試合は体重制で階級が決められているため、フェアな戦いが特徴です。
フリースタイルはタックルが基本の姿勢で、強豪選手になればなるほどスピード感が増してスリルが味わえるでしょう。
一方男子のグレコローマンスタイルは、豪快な投げ技が見どころです。
基本は3分間の戦いですが、試合はフォール勝ちがあるため最後の数秒で逆転することもあり、試合展開には目が離せません。
レスリングの競技人口は柔道と比べると少なく、特に注目の女子でも競技人口は柔道2万8千に対し、2千以下と言われています。
それでも日本人のレスリング選手はオリンピックでメダルを獲得するなど、非常に人気が高まっています。
ルール変更は多いですが、レスリング自体オリンピックに出場するようになったのは2004年と新しいので、まだこれから様々な規定が増えるかもしれません。
レスリングの魅力は何の武器も防具も持たず、体一本でぶつかり合う所にあります。
またあと数秒しかないところまで、どっちが勝つか分からないハラハラする展開も逃さないようにしましょう。