久しぶりに筋トレを再開する場合の3つの注意点と守るべきルールとは

筋トレを再開する 筋トレ・美容・健康

事情があって筋トレを止めてしまったけど、久しぶりにまた筋トレを再開したいと考えている人も多いかと思います。
健康で充実した生活を取り戻す意味でもエールを送りたいところですが、再開にあたっては少し注意が必要です。

人によっては意気込んで再開したはいいけれど、かえって体を痛めてしまう等で失敗してしまって、結局また止めてしまったということも。
筋トレを久しぶりに再開するときに気を付けたい事について解説したいと思います。

筋トレを再開するときに気を付けるべきこと

筋トレを再開するときに最も多い失敗が、再開直後のトレーニングでケガをしてしまうというものです。
この失敗を防ぐために気を付けるべきことは次の3点です。

筋トレの再開時の注意点
  • 筋力の低下や勘の衰えを自覚する
  • 軽めの負荷から再開し、徐々に負荷を上げていく
  • 多関節種目を取り入れる

筋力の低下や勘の衰えを自覚する

一定期間筋トレを行っていた人がトレーニングを止めるとやがて筋力や持久力、心肺機能などが低下し、トレーニングに対する勘もある程度失われます。

これは自然なことであり誰の身体にも同じように起きる現象なので、筋トレの再開に際してはまずこのことをしっかりと意識しておく必要があります。

ところが自分の中では、「これくらい出来た」という記憶とイメージがありますので、いきなり以前と同じ負荷をかけるなどして無理をしてしまうことや、以前できたことができない自分にがっかりして、モチベーションを下げてしまうこともあります。

身体が衰えているのに心ばかりが先走って以前と同じノリでトレーニングを再開してしまうと、すぐに現実を思い知ることになります。
以前と同じ重量を挙げることができないショックで、またジムから遠ざかってしまう人も少なくありません。

「以前の自分ではない」と知っておくことで、こうした失敗をせずに、また筋トレと向かい合うことができるのです。

軽めの負荷から再開し、徐々に負荷を上げていく

筋トレを再開したときは一刻も早く以前の筋力を取り戻したいと焦るものですが、この焦りが失敗の元です。
まずは軽い負荷からトレーニングを再開しましょう。

特に再開直後のトレーニングでは、かつてのように限界まで追い込む激しいトレーニングは禁物です。
最低でも再開してから1週間くらいは軽く流す程度の負荷でトレーニングを行い、余力を持ってメニューを終えましょう。

筋トレを続けていると筋肉痛にもやがて慣れてくるものですが、長い休み明けの筋トレ後には間違いなく強烈な筋肉痛が襲ってきます。
この筋肉痛を和らげる意味でも、軽い負荷から徐々に身体を慣らしていく必要があります。

多関節種目を取り入れる

筋トレの再開は軽い負荷から

「多関節種目」はコンパウンド種目とも呼ばれるもので、動作に複数の関節が関与するエクササイズのことです。
これに対し1つの関節のみが関与する種目を「単関節種目」といいます。

大胸筋を鍛える種目を例に挙げるとベンチプレスは肩関節と肘関節の2つを用いる多関節種目であり、ダンベルフライは肩関節のみを用いる単関節種目です。

多関節種目のメリット
  • 複数の筋肉を刺激できる
  • 大きな力を発揮できる
  • 全身運動に近い動作を行うので競技や実生活に応用しやすい
  • 消費カロリーが大きい

これに対し単関節種目にはターゲットとなる筋肉をピンポイントで刺激できるメリットがありますが、関節が1つしか働かないため多関節種目ほど大きな力は発揮できません。
多関節種目を取り入れることで身体を広い範囲で刺激でき、神経系にも良い影響を与えます。

多関節種目はトレーニングの基本ともいえるものですが、筋トレを再開するときにも多関節種目を軸にメニューを組み立てることでトレーニングの勘を早く取り戻すことができます。

ただし説明したように、負荷はあくまでも軽めに設定することを忘れずに。
大きな力を発揮できるという多関節種目のメリットについては徐々に活かしていくように心がけましょう。

筋肉の記憶機能、マッスルメモリー

身体には筋肉にかけられた負荷やそれに対する反応を遺伝子レベルで記憶する、マッスルメモリーという機能が備わっています。
長いブランクから明けて筋トレを再開してからかつての筋力を取り戻すまでの期間は、はじめにそれを獲得した期間よりもずっと短いものになります。

筋トレを再開した直後は軽い負荷でも重く感じると思いますが、数週間トレーニングを繰り返していくうちに思ったよりも早く筋力が戻る実感が得られるはずです。

このマッスルメモリーは、1年や2年のブランクで消える記憶ではありません。
その長さについてハッキリした答えは出ていませんが、少なくとも10年近くは有効であると考えられています。

筋トレの再開まとめ

しばらく筋トレを休んでから久しぶりに再開するときは、まず身体が以前に比べて弱くなっていることを自覚する必要があります。
再開直後から1週間程度はごく軽い負荷でトレーニングを行い、徐々に負荷を上げていくようにしましょう。

トレーニングメニューは多関節種目を中心に組み立てることで神経系にもよいアプローチができるため、比較的早くトレーニングの勘を取り戻すことができます。

筋肉には以前の刺激に対する反応を記憶するマッスルメモリーが備わっているので、焦ることはありません。
マイペースでゆっくりトレーニングを継続していきましょう。

筋肉痛がある時の筋トレについて【筋肉痛と筋トレのメカニズム】

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筋トレの後に襲ってくるのが筋肉痛。

痛くて日常の動きがしにくくなるなどのデメリットがある一方で、「きちんと筋肉を刺激できていることが実感できてうれしい!」と感じる人も多いと思います。

筋トレを始めたばかりの人は、筋肉痛があっても、毎日筋トレをしたいと思うのではないでしょうか。

私もそうでした。
やはり大会などが近づいてくると、筋トレを休むのが怖くなるものです。どんどん鍛えて高い目標まで到達したいのが心情ですので。

しかし「筋肉痛があるときに筋トレをしても本当に大丈夫なのか」を理解しておく必要もあります。

間違った認識のまま筋トレを続けると、理想の体を手に入れるまでに、遠回りしてしまうことになるからです。

筋肉痛になるメカニズム

筋肉痛になる理由は、実は、はっきりと解明されているわけではありません。
一般的には筋トレをした部分に疲労物質が溜まることから、筋肉痛が発生すると考えられています

しかし現在は、運動によって傷ついた筋線維を修復しようとするときに起こる痛みであるという説が有力となっています。

筋トレで筋肉を刺激すると筋繊維が破壊されます。それを回復するときに、筋肉痛が起こると考えられているのです。

しかしこのときに筋繊維も同時に太くなります。
そのため筋肉痛は一度破壊された筋繊維が回復する過程であると同時に、筋肉が強化されているというサインだと考えておくと良いでしょう。

筋肉痛のときは筋トレをしても大丈夫なのか

では筋肉痛があるときに、筋トレをしても大丈夫なのでしょうか。
答えはNOです。
それには次のような理由があります。

筋肉痛時の筋トレがNGの理由
  • 大きな負荷がかけられないため、満足のいくトレーニングができない
  • 筋繊維が細くなる
  • 腰や肘・膝・肩などを痛める可能性がある
  • 集中してトレーニングできない

筋繊維が大きくなるのは、破壊された筋繊維が回復しているときです。
しっかりと回復させるためには、休息が必要です。

また筋トレの内容が薄くなるなどのデメリットもあります。
そのため筋肉痛がある部位の筋トレは行わずに、休ませてあげましょう。

この【休むという行為】が回復期に一番大切なのです。

筋肉痛になりやすい筋トレメニューはあるのか

筋肉痛になりやすい筋トレのメニューもあるので、把握しておきましょう。
例えば次のようなメニューです。

筋肉痛になりやすい筋トレメニュー
  • 負荷が大きい
  • 速筋を刺激する
  • 日頃刺激されていない部位を刺激する

筋肉には速筋と遅筋がありますが、ダッシュなどの速筋が刺激されるような筋トレを行うと、筋肉痛になりやすいです。
負荷の大きさによっても、筋肉痛の感じ方が違います。

初心者の場合は、筋肉が刺激され慣れていないため、どの部位の筋トレを行っても、筋肉痛が起こることが多いでしょう。
また筋肉痛が出る時期も、負荷の大きさや、刺激する筋肉によって違います。

負荷が大きかったり速筋を刺激したりすると、早い段階で筋肉痛が出やすいです。
逆に負荷が小さかったり遅筋を刺激したりすると、少し時間が経過してから筋肉痛が出るのが一般的です。

筋肉痛の予防法と改善法

筋肉痛を完全になくすことはできません。
しかし、ひどくならないように予防したり、少しでも楽になるように工夫したりすることはできます。
以下にそれらの方法をまとめました。

筋トレ前

★ストレッチ

筋トレ後

★ストレッチ
★アイシング
★入浴
★バランスのとれた食事、特にタンパク質やBCAAを補う

ストレッチは、筋肉を伸ばすため、血流が促されます。
疲労物質が排出されやすくなることから、筋肉痛の緩和に繋がるのです。

筋トレの10分後から15分後は、保冷剤などを使って、アイシングケアをしましょう。
ケア中は血管が一時的に収縮します。

しかしアイシングケアをやめたときに、血管が広がって血流が促されるので、疲労物質も排出されやすくなります。
つまり血流を促すことが、筋肉痛の緩和に役立つということです。

またタンパク質は、傷ついた筋繊維を修復したり、強化したりするのになくてはならない栄養成分。
そのため特に筋トレの後は、意識的にプロテインやBCAAで補うようにしましょう。

部位ごとに分けて筋トレをしよう

筋トレのメニューは部位別にローテーションを組むのが理想的です。

1度に全身の筋トレを行うと、筋肉痛があるときは、全てのトレーニングを休まなければならないからです。
また鍛える部位が多いと、どうしても一つ一つの筋トレのメニューの内容が薄くなってしまいます。

そのため次のようなスケジュールで、筋トレを行うのがおすすめです。

トレーニングの参考メニュー
  • 月曜日…胸とおなか周り
  • 火曜日…背中と腕
  • 水曜日…下半身
  • 木曜日…胸とおなか周り
  • 金曜日…背中と腕
  • 土曜日…下半身
  • 日曜日…休み

これはスケジュールの組み方の一例で、3つの部位を1週間に2回ずつ組み込み、何もやらない完全休養も取るパターンです。

自分のライフスタイルに合わせて、スケジュールを組みましょう。

どの部位の筋トレでも、筋肉にしっかりと負荷をかけて、鍛えている部位を意識することが大切です。
筋繊維が筋トレに慣れてくると、筋肉痛にならないことが増えてきます。
そのときは様子を見ながら、少しずつ負荷を大きくしていきましょう。

筋トレと筋肉痛の関係性まとめ

筋肉痛によって破壊された筋繊維が、元に戻ろうとするときに、筋肉痛が起こるのです。
筋肉痛は筋肉が太くなるタイミングなので、筋肉痛があるときは、筋トレを休みましょう。

より理想的な体に近づけたいのならば、曜日によって鍛える部位を変えるのがおすすめです。
そのほうが集中して筋肉を刺激できるので、結果が出やすいのです。

筋肉痛があまり長く続くと、日常生活に支障をきたすので、マッサージや入浴などの、筋肉痛をやわらげる対策をしましょう。
筋トレに筋肉が慣れると、筋肉痛が起こりにくくなります。
より筋肉を大きくしたい場合は、少しずつ負荷を大きくして、筋トレを続けましょう。

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