筋トレと有酸素運動はともに身体作りや健康増進に効果の期待できる優れた運動です。
運動習慣として両方を取り入れることが推奨されますが、「それぞれを合わせて行うべきなのか」というのもよくある疑問のひとつです。
筋トレと有酸素運動を合わせて行う際のお勧めな取り入れ方を解説しましょう。
筋トレと有酸素運動の違い
筋トレと有酸素運動はタイプが大きく異なる運動です。
筋トレは筋肉に一定の負荷をかける動作を繰り返し行うことで筋肉の成長を促す運動で、有酸素運動は身体に酸素を取り入れながら負荷が軽めの運動を長時間行って心肺機能を高めるものです。
筋トレの代表的なトレーニングには以下のようなものがあります。
- 腕立て伏せ
- 懸垂
- バーベルやダンベルで行うベンチプレス
- スクワット
- 腹筋
有酸素運動は下記のようなものになります。
- ウォーキング
- ジョギング
- エアロビクスダンス
筋トレは無酸素運動ともいわれますが、これは呼吸を伴わない運動という意味ではなく、筋収縮の元になるエネルギーとして酸素を使わないということです。
高い健康効果、両方を行うことで相乗効果も?
それぞれの運動には、下記のような健康作用があります。
★筋トレの健康効果
- 基礎代謝量の増加
- 骨密度の向上
- 糖尿病リスクの軽減
- 内臓脂肪の減少
- 逞しく、美しいボディラインをつくる
- 正しい姿勢の改善
★有酸素運動の健康効果
- 心肺機能の向上
- 冠動脈疾患リスクの軽減
- 体脂肪の減少
この他両者に共通する作用として、不安や抑うつなどの症状を軽減させ、気分を向上させる点が挙げられます。
さらに筋トレと有酸素運動の両方を行った場合、それぞれのメリットを高める相乗作用が得られることも研究で明らかになっています。
両方の運動を取り入れることは、目的に関わらず多くの人にとってメリットが大きいといえます。
筋肉を増やしたい場合も有酸素運動は取り入れるべきであり、体重減少を目的としたダイエットを行う場合でもやはり筋トレを行うべきなのです。
筋トレと有酸素運動の効果的な取り入れ方
筋トレと有酸素運動の両方を取り入れるべきといっても、必ずしも両者を一度に合わせて行う必要はありません。
平日の朝や夜にジョギングをして週末にジムで筋トレを行う、逆に平日の夜にジムで筋トレを行い週末にウォーキングをするなどの組み合わせは、どちらもとてもいい運動習慣です。
それぞれを週に2回から3回程度行っていれば、かなりの期待が得られるでしょう。
筋トレと有酸素運動の両方を一度のトレーニングの中で合わせて行う場合は、順番に注意しましょう。
筋トレの後に有酸素運動を行うのが、より効果を高める正しい順番です。
筋トレを行った直後は交感神経が刺激され成長ホルモンの分泌が活発になっている状態なので、このタイミングでジョギングやサイクリングなどの有酸素運動を行うことにより効率良く体脂肪を燃焼させることができます。
逆に長時間の有酸素運動を先に行ってしまうとエネルギーを使い果たしてしまい、その後に行う筋トレで十分な力を発揮できません。
頻度にも注意
60分近い長時間の有酸素運動を習慣として行っている場合は、毎回筋トレ後に同じだけ有酸素運動を行うのは大変でしょう。
この場合は無理に合わせて行おうとせず、週に1度か2度筋トレ後に20分から30分の有酸素運動を取り入れるなどの方法が適しています。
筋トレも有酸素運動も、内容によってはかなりのエネルギー消費を伴うため身体に負担をかけます。
特に筋トレは毎日行うと回復が追い付かず成長が頭打ちになってしまうため、部位ごとに中2日などの休息日を設けて行うようにしましょう。
ウォーミングアップとクールダウンも必ず取り入れよう
筋トレと有酸素運動の両方を合わせて行う場合とどちらか片方だけを行う場合に共通していえることですが、運動前後のウォーミングアップとクールダウンも欠かさないようにしましょう。
高負荷の筋トレや有酸素運動を急に始めたり止めたりすると、身体に大きな負担がかかります。
メインとなる運動の前後には5分程度の軽いウォーキングやジョギングなどを取り入れて、心拍数をゆるやかに推移させるようにしましょう。
ウォーミングアップでは軽く息がはずんで汗ばむ程度、クールダウンは上がった息が落ち着いてくる程度を目安に行うのがベストです。
クールダウンの一環として、反動を使わずにゆっくりと身体の各部を伸ばして状態をキープする静的ストレッチを取り入れるのもおすすめです。
筋トレと有酸素運動まとめ
筋トレと有酸素運動はともに高い健康効果が得られる運動ですが、両方を合わせて行うことでより高い相乗作用が考えられます。
一度のトレーニングの中で両方を行う場合は筋トレの後に有酸素運動を行うようにしましょう。
この順番で行うことによって運動中のエネルギー切れを防ぎながら、効率良く脂肪を燃焼する作用が見込めます。
逆に有酸素運動の後に筋トレを行うのはエネルギーを保てないためおすすめできません。
運動前後のウォーミングアップとクールダウンも忘れずに行うことでケガを防止し、より高い健康増進作用を期待することができます。