近年、性別や年齢を問わず、ブームになっている筋トレ。
男女とも、無駄な脂肪がついていない引き締まった体は、いくつになっても憧れの的ですよね。
しかし、筋トレは、決して楽なトレーニングではありません。そのため、筋トレを継続できずに、途中で断念してしまうことも。
ただし、筋トレには、心と体にもたらす数多くの優れた作用があります。
それらを知れば、筋トレのモチベーションがアップするでしょう。
筋トレによって日常生活の動きが楽になる
「なんだか最近、階段の上り下りが辛くなった…」と感じる人も多いのではないでしょうか。
それは下半身の筋肉の衰えが原因かもしれません。
筋トレなどの運動を何もしないと、筋肉量は、年齢が上がるに従って減っていきます。
特に下半身の筋肉量は、減りやすいです。
そのため年齢が上がると、階段の上り下りが辛く感じたり、段差につまずくことが多くなったりするのです。
また下半身の筋肉が衰えると、他の部位で体を支えようとするため、膝や腰などが痛くなることも少なくありません。
よって、お尻や太もも、ふくらはぎなどの下半身の筋肉を、重点的に鍛えることが大切です。
下半身の筋トレを継続すれば、「日常生活で行う動きが楽になった!」と実感できるようになるでしょう。
エネルギーの消費量がアップ
筋肉量が増えると、エネルギーの消費量もアップします。
つまり脂肪が燃えやすい体を作ることができるということです。
一般的に筋肉1キログラムあたりのエネルギーの消費量は、約20キロカロリー。
これは1日中、家でダラダラしていても変わりません。
それが筋肉量が増えると、1キログラム当たり、約50キロカロリーまで消費量がアップすることもあります。
また筋肉量が増えると、動いているときだけでなく眠っているときの消費量も増えるため、脂肪が貯まりにくくなるのです。
そのため同じ食事内容でも、筋肉量が増える前と後とでは、体脂肪や見た目などに変化が現れます。
部分痩せも実現しやすい
この部分を特に引き締めたい!と、特定の部位だけ引き締めたいと思う人も多いでしょう。
筋トレを真剣に行えば、その願いを実現できる可能性が高いです。
そのメカニズムを、以下にまとめました。
- 筋トレをすると筋肉から生理活性物質が分泌される
- 生理活性物質が血流にのって脂肪細胞にアプローチ
- 脂肪を分解する
特に、筋トレをした部分の筋肉は、これらの働きが活性化されます。
そのため、引き締めたい部位を、重点的に引き締められるのです。
自律神経が整う
メンタル面にも良い変化をもたらします。
自律神経の副交感神経と交感神経のメリハリがつきやすくなるからです。
簡単に言うと、副交感神経は、リラックスするときに優位になる神経。一方、交感神経は、活動をするときに優位になる神経です。
これらの神経のバランスが乱れると、疲れやすくなったり気力がなくなったり、ドカ食いをすることが増えたりしやすくなります。
自律神経のバランスが整えば、生活リズムが安定する他、メンタルもコントロールしやすくなるので、ストレスを溜めたり睡眠不足に陥ったりすることが少なくなるのです。
またセロトニンやドーパミンなどの、脳内に分泌される神経伝達物質のバランスも整いやすくなります。
しかもボディビルダーの経験がある筋生理学の教授によると、筋トレは短時間でもOK。
次のように伝えています。
ジョギングやエアロビクスなどでは1時間以上続けないと得られないレベルの活性化が、筋トレではわずか10分程度で起きることがわかっています。
10分程度なら、毎日でも継続できるのではないでしょうか。
筋トレで免疫力がアップする
自律神経が整うと免疫力もアップします。
自律神経が整うと体温を調節する機能が高まるからです。
ウィルスなどの異物に対抗するのに理想的な体温は、36度から37度。
その体温を保てるように、体温が低いときは熱を生み出し、高いときは熱を放出するなどして、そのときの体の状態に合わせて体温調節ができるようになります。
36度以下の低体温では、免疫力が低下してしまうため、特に体温が低い人は、筋トレをして筋肉量をアップさせることが大切です。
生活習慣病の予防に効果的
筋トレは生活習慣病の中でも、特に、糖尿病の予防に効果的です。
血液の中にある糖が、筋肉に取り込まれやすくなるからです。
そうすると筋肉でのブトウ糖の消費量が増えます。
筋トレをしているときだけでなく、食後にも同じような働きをします。
そのため血糖値の上昇を、抑えることができるのです。
また筋トレによって代謝がアップすれば、栄養素や酸素も、全身に行き届きやすくなります。
その結果、肥満や高脂血症、高血圧などの生活習慣病も、防げる可能性が高まります。
筋トレの効果まとめ
このように筋トレで得られるメリットは多いです。
見た目が変化するだけでなく、生活習慣病を予防できたり、メンタルが安定しやすくなったりなど、心身に良い影響を与えます。
それらのメリットを認識すれば、筋トレへの向き合い方も変わるでしょう。
ただし、ただがむしゃらに筋トレを行えば良いというわけではありません。
より効果的な筋トレを行うペースや筋トレの回数などを理解して、筋トレを継続することが大切です。
筋トレをするときの、気持ちの持ちかたも重要です。
そうすれば、いつの間にか、心身ともに変化していることを実感できる日が来るでしょう。