砂浜で行われるビーチバレーは、その原型であるインドアのバレーボールとは違った見どころがある競技です。
夏季オリンピックの人気種目でもあるビーチバレーは何人制で行われるのか、反則はあるのかなど、見どころやバレーボールとの主な違いなども含めて調査しました。
ビーチバレー
バレーボールから派生したビーチバレーは、砂浜のコートを舞台に行われる球技です。
発祥はアメリカカリフォルニア州のビーチでレジャーとして行われていたバレーボールといわれていて、オリンピックでは1996年のアトランタ大会から正式種目として採用されています。
屋外で実施される競技ですが、よほどの豪雨や強風でない限り雨天でも決行されます。
雨や風の影響を大きく受けるビーチバレーは、心身ともに様々な環境への対応力が求められる競技です。
バレーボールとの違い
ビーチバレーは、その原型であるインドアのバレーボールとは下記の点で大きな違いがあります。
バレーボール選手がビーチバレー競技へ転向する例もありますが、基本的には似て非なる競技といえるでしょう。
- 環境、人数
- ボール
環境、人数の違い
バレーボールは室内の競技場で1チーム6人で行われますが、ビーチバレーは砂浜にネットを張ったコートで2人1組のチームで行われます。
コートの大きさはバレーボールが18m×9mであるのに対しビーチバレーは16m×8mで、ネットの高さは共に男子が2.43m、女子が2.24mで変わりありません。
コートは片面の縦横が1m小さいだけなので、人数比を考えると1人当たりの守備範囲はじつはとても広いのです。
相手コートへボールを戻すまでの接触回数はともに3回ですが、バレーボールではこの3回にブロックによる接触を含まず、ビーチバレーでは含みます。
足元の環境もバレーボールが板張りにシューズを着用しているのに対しビーチバレーは砂浜に裸足と大きく異なります。
グリップや瞬発力が大きく殺される分、相手選手やボールの動きを予測する能力が求められる競技でもあります。
ボールの違い
サイズ自体はほとんど変わりませんが、ビーチバレーで使われるボールはバレーボールのものよりも内気圧が30%ほど低く調整されています。
内気圧はボールの反発力、つまりスピードに直結します。
バレーボールと同じボールをビーチバレーで使用するとボールが速すぎてラリーになりません。
内気圧を調整することによりボールのスピードを若干緩め、ビーチバレーのコートサイズや競技人数に最適化しているわけです。
といっても、相対的に見たスピード感やスリルはインドアで行われるバレーボールと比べてもまったく遜色ありません。
主な反則
ビーチバレーで反則とされる行為には、主に次のものがあります。
- 手を開いた状態で指の腹を使ってフェイントを行う、ティッププレー
- ダブルコンタクト
- 肩の線に対して直角以外の方向に行うオーバーハンドパス
- 試合前に提出した順番を守らないサーブ
ドリブルとも呼ばれるダブルコンタクトは同じ選手が連続してボールに触れる反則で、オーバーハンドトスを行うときにもシビアなタイミングで取られるため注意が必要です。
サーブは試合前にあらかじめ申し出た順番で行わなければいけません。
ビーチバレーの見どころ
ビーチバレーではなんといっても選手のチームワークと白熱するラリーが見どころ。
コート内に自軍の選手が2人しかいないため、両方の選手があらゆる役割を果たすオールラウンダーとして動かなくてはなりません。
広い守備範囲をカバーする体力はもちろん、常に環境が大きく変わる砂浜のコートをうまく活用する戦略も必要不可欠です。
もちろんテレビ画面を通してもプレーの熱は伝わってきますが、できれば機会を作って試合を見に行くことをおすすめします。
現地では実際のコートや選手の様子を間近に見ることができ、迫力満点。
会場によっては音楽を流すなどとても賑やかなムードで、ちょっとしたフェス気分も味わえます。
開放感のあるビーチでチームワークを発揮しながら選手が躍動する様子には、思わず声が出てしまうでしょう。
主要な国際大会
ビーチバレーの主な国際大会には次のようなものがあります。
- オリンピック
- FIVBビーチバレーボール世界選手権
- ユニバーシアード
- アジアサーキット
- アジア競技大会
夏季オリンピックは4年に1度、世界選手権は奇数年に1度の頻度で開催されています。
世界選手権を含む20近い大会を転戦するビーチバレー・ワールドツアーでは、勝敗に応じた総合ポイントにより世界ランキングが決定されます。
ランキングは世界選手権やオリンピックの出場権に関係し、特にグランドスラムと呼ばれる一部の大会では獲得ポイントが高くなります。
まとめ
砂浜のビーチに設定されたコートを舞台に2人1組で戦うビーチバレーは、レジャーとして行われていたビーチでのバレーボールから生まれた球技です。
コートサイズや人数、ボールの内気圧などはバレーボールよりも抑えられていますが、選手間のチームワークや白熱のラリーが展開される魅力はバレーボールにも決してひけを取りません。
ビーチバレーの魅力をいっそう楽しめる現地での観戦もおすすめです。