フランスでは頻繁にストライキが起きるようです。
いろんなブログでフランスの情報収集をしている時も、「ストライキが発生して交通網がストップ!」などという記事も多数見かけました。ひどいものになると「エールフランスが止まった」という方もおられました。
いや、さすがに旅行者やビジネス客を巻き込む航空会社のストライキだけはやめて欲しいものです。
今回南仏ニースへの出張が決まった際も、「航空会社は、エールフランスだけはやめよう」と決めました。
私もストライキに当たってしまった話(笑)
日本への帰国前日、知人と最後の夜のディナーをしていた時の事です。
その内の一人が連続して同じホテルが取れなかったため、2泊2泊に分けて予約をしたのです。そこで移動したホテルの受け付けで「明日はストになるよ」と教えてもらったそうです。
それを聞いた私は愕然としました。「ついにきたか、ストライキ!」
私以外はもう一日以上滞在予定だったため、私ほどの絶望感はありませんでしたが、それでも市内の交通網がストップしてしまうわけで、どこにも行けなくなります。これでは移動は徒歩のみとなり、行ける場所も限られてしまいます。
それよりも私です。実際にホテルの受付で確認しましたが、やはり「ストライキは間違いない」とのこと。どうするか悩みました。それよりも国民には1週間前には公表されるので、旅行者にも分かりやすいように前もって教えて欲しいものです。
おそらくフランスでは当たり前の出来事として、特に慌てるほどの事でもないのでしょう。
意を決してコートダジュール空港まで歩く決断をしました
本当は帰国日の午前中にお土産を買い、美味しいお店でランチをしてから、ゆっくりとトラムでコートダジュール国際空港まで行くつもりでした。
13:00に出れば余裕だろうと。
しかしトラムもバスもタクシーも全部ストップです。要するに空港までは歩くしかないのです。前夜に片っ端からストライキ情報を調べましたが、やはり空港までの路線は全て動かないことは確認済です。
ってか、「空港までの路線は確保しろよ!」ですよね。どんな国民性でしょうか、全く。
幸い南仏のコートダジュール国際空港まで、ニース市内から6km前後です。特に私の宿泊先からは、5.2km程。全然歩ける距離であることが分かりました。しかもプロムナードデザングレという海岸の遊歩道がずっと続いており、その先がコートダジュール空港ですので道に迷う心配もありませんでした。
前日にサンポールドヴァンスまでショートトリップで行ったため、空港近くのPARK PHONIXという駅周辺の環境は見てあったので、その辺りの治安も問題ないことは分かっていました。
実際にフランスのストライキは起きた
ニース滞在の最終日、早めにお土産買いに走りました。
やはりスーツケースをゴロゴロ引きながらの1人歩きですので、チェックアウトと同時に早めの出発を考えていたからです。
お土産はスーパーマーケットのモノプリ(MONOPRIX)で買いましたが、途中トラムのジャン・メドゥサン通り駅を見てみると、入口にテープが貼られており、工事現場のように中には入れないようになっていました。
そして駅の前には、中東系の観光客がスーツケースを引きずりながら、スマホで何やら検索している光景に出会いました。ストライキの情報を知らない観光客にはまさに悲劇です。
本当に何を考えているのでしょうか?フランスは。
チェックアウトして、プロムナード・デ・ザングレを歩き始める
当初、ストがない場合の予定では13:00に出る予定でしたが、早めの11:30にホテルを出発しました。
5.2kmですから、1時間半も歩けば着くだろうという計算です。一応防犯にも気をつけて、道順も記憶した上での出発です。
しかし、実際には一切の心配はいりませんでした。
当日は見事な快晴で、私を待っていたのはプロムナード・デ・ザングレからの絶景でした。
9月の下旬でも泳げるニースの海
当日は快晴ですが、市内の交通網は全てストップ状態です。それもあってか海水浴の人々でビーチは賑わっていました。
私は水に浸かっていないので分かりませんが、たぶん日本人には冷たく感じるのではないでしょうか?白人は寒いのと冷たいのは何故か得意なんですよね。
とにかく石でゴロゴロのビーチですが、多くの水着姿の人々が日光浴を楽しみ、泳いでいる人もたくさんいました。
プロムナード・デ・ザングレ沿いはパームツリーが植えてあり、南国のリゾート気分満載です。
こう見ると結構ゴージャスな街なんですね。海沿いはあまり行ってなかったので、それほど分かりませんでしたが。
有名なホテル ネグレスコを通り過ぎます。
ここはホテルのプライベートビーチでしょうか。
こんないいお天気の日に「何をやっているのだろう」と思いながら、ひたすら歩き進みます。
時間はだいぶあるのが分かっていたので、写真をたくさん撮りながら、景色を眺めながら、歩いて行きました。
海沿いの奥のカーブの先が空港になります。だいぶ近づいていくと海水浴客も少なくなってきました。
この辺りで海水浴をするのは、観光客ではなく地元の人かもしれません。
それにしてもいい景色ですね。すでにストライキの事は忘れ去り、のんびりと歩くのが楽しくなってきました。
「これもいい経験であり、思い出になるな」と。ストがなければ空港まで歩くなんてことは出来ませんから。
結構歩いてきたものです。海岸線のカーブの奥の方がホテル街ですから。
何故かマイアミビーチ(笑)ここはアメリカか?
ちなみにプロムナード・デ・ザングレを歩き始めてから、私と同じ方向へ歩くスーツケースをゴロゴロさせている人達に何人も会いました。
さらには反対の空港側からも多くのニースに到着したばかりの観光客が歩いてきました。結局どちらからも同じような境遇の人達が歩いていて面白かったですね。
歩き始めた時は、ずっと彼方に見えたカーブも、だんだんと近づいてきました。
後ろを振り返ると、もう半分以上きたのが分かります。でも遊歩道が整備されており、安全な雰囲気で不安は全く湧いてきません。
この辺でプロムナード・デ・ザングレも終わりです。
スーパーマーケットのカルフールでお土産を調達
時間も余裕ですし、お土産のマルセイユ石鹸も買い忘れたので、スーパーマーケットのカルフールに立ち寄りました。
ここは観光地から離れた場所なので、ほとんどが地元に人達のようです。異国感があっていいですね。
3個入りで5.25ユーロのマルセイユ石鹸を買いました。
やはり品揃えが少ないので、旧市街で買うことをおすすめします。旧市街地ではもっと平べったくて使いやすい、さらにカラフルなものが所狭しと並んでいて、さらに安いのでおすすめです。
プロムナード・デ・ザングレが終わったあとも、特に危ない雰囲気はなく、安全です。
もうここはほとんど空港ですね。柵の向こう側には飛行機がたくさん止まっています。
向こう側に見えるのがニースのガソリンスタンドです。今回はレンタカーを利用しなかったので、使いませんでしたが。
先の方に空港が見えました。目的地はもうすぐです。
この辺が前日にきたPARC PHOENIX辺りですね。サンポールドヴァンスへのショートトリップで周辺の環境は見てますので、雰囲気は分かっていましたから、安心して歩くことができました。やはり何事も経験です。
約2時間の徒歩の旅も終わり、日本へと戻ります
ついに到着しました!
当初はどうなるのかと思いましたが、終わってみれば嬉しいハプニングでかえって良い経験になりました。
治安も良く、辺りがまさに絶景でしたので、本当に楽しかったです。ちなにみゆっくりと歩いたり、カルフールに立ち寄ったりしましたので、所要時間は2時間弱かかりました。
真面目に?スタスタ歩けば1時間半以内で行けると思います。スマホの万歩計でだいたい10000歩くらいでした。
皆さん、ニースではストライキが起きても特に心配することはありません。
暗くなってからだとちょっと不安もありますが、明るいうちは楽しい旅とプロムナードザングレの絶景が待っています。