実はこれも経費で良かった?個人事業主が経費で落とせるものとは?

経営・税金・法律

事業をやるにあたって売り上げと経費のバランスはとても重要です。

売り上げが結構上がってしまっても、同時にそれなりの金額の経費を計上できれば、利益を圧縮して所得税を減らすことによって節税することが可能になります。

逆に本来経費計上ができるものであっても、その知識がないばかりに経費として計上していなければ、利益を圧縮できないので税金を多く支払うことになってしまいます。

経営に必要な節税の知識
  • 何が正式に経費として認められるのか
  • 何が経費にならないのか

を正しく見極めることができるかどうかです。

確定申告における必要経費とその種類

個人事業主の方の多くは、確定申告を自分で行なっていると思います。

そして毎年の確定申告の時期になると、仕事上で使った金額の中で、どこまで経費として申告できるのか迷うかもしれません。

この記事では、経費について以下の点について解説しています。

  1. 必要経費とは?
  2. 必要経費として認められるもの
  3. 事業経費に上限はあるのか

確定申告で経費に含められる項目について解説していますので、節税のために参考にしてください。

必要経費とは何か?

必要経費とは、事業を行うために使用した費用のことです。
会社組織であれば「経費で落とす」という言い方をしたり、「経費で処理する」という表現を使ったりします。

経理担当が在籍していれば、経費として落とせるのかどうか指示してくれますが、個人事業主はすべて自分で判断しなければなりません。

では、具体的にどのような費用が経費として認められるのか見ていきましょう。

必要経費として認められる10項目

確定申告の時に記入する項目
  • 地代家賃
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 旅費交通費
  • 消耗品費
  • 広告宣伝費
  • 新聞図書費
  • 接待交際費
  • 修繕費
  • 原価償却費

以上のような経費と関係する項目が、個人事業主が確定申告の時に記入する項目になります。

地代家賃

個人事業主の場合、職場(事務所)と自宅が一緒になっている場合もよく見られます。

自宅として使用している場合でも、家賃を支払っているのであれば、当然経費として認められます。

しかし職場として使用している割合のみ経費として認められるため、家賃が10万円で、職場面積が全体の半分であれば5万円が正式に経費として計上できます。

水道光熱費

事業内容によっては、水道代や光熱費も経費として認められることもあります。
その場合でも仕事をしている時間を使って経費を計算できます。

仮に1ヶ月の光熱費が30,000円・水道代が3,000円であり、仕事の時間が8時間であれば、費用の3分の1の11,000円が経費に計上できる金額になります。

ただし、電気料金に対して水道料金やガス料金は、必ずしも事業に直結しているとは言い難い場合もあります。例えば水は飲料水やトイレよりもお風呂に圧倒的に多く使用します。ガスもお風呂沸かしに多く使うため事業に関係ありませんので、私用と事業用との割合として、水道とガス料金は少な目にした方が税務署対策としてもおすすめです。

具体的には、電気料金は50/50でいいとしても、ガス料金や水道料金は20/80、30/70など、少な目にする方が良い印象を与えてくれるでしょう。

通信費

通信費の計算も同じく仕事として使用している時間に従って費用を計算して、経費に含めることができます。

通信費にはインターネットや電話代、切手代などが含まれます。

旅費交通費

仕事で使った電車代やバスやタクシー代も経費として計上しても良い費用です。

車を仕事で利用したのであれば、ガソリン代も旅費交通費に含められるでしょう。
ガソリン代は、消耗品や車両費に計上することもできますが、一度選択した項目に来年度も含めるようにしましょう。

Suicaは電子マネーとして買い物もできてしまうため、Suicaのチャージ料金の領収書は本来はそのまま経費として認められるものではありません。
しかしながら、実際にはほとんどの個人事業主は、チャージの領収書をそのまま経費として全額計上しているのが現状です。

また税理士の方でもそのまま受けている場合がほとんどですので、本音と建前ということで、それでよろしいかと思います。もし心配であれば、仕事専用のSuicaをもう一枚作れば問題はなくなります。

※ちなみに私は、Suicaチャージは自腹で支払い、営業活動で使った分だけ、交通費精算書で精算しています。結構真面目にやってます(笑)

消耗品費

仕事で利用した10万円以下の、文房具やインテリア用品、水回り、キッチン用品、清掃用品、仕事の名刺など、日用品のほぼ全般は消耗品として計上します。

パソコンや大型インテリアなどの金額が10万円を超えた場合、消耗品ではなく減価償却として処理されることになります。

広告宣伝費

ネットを通じて広告を出したり、看板を作った場合は宣伝広告費として計上可能です。
もちろん新聞の広告なども含まれます。

新聞図書費

仕事に関連した書籍や電子書籍を購入したのであれば、問題なく新聞図書費として経費計上できます。

現実には、事業活動を行う上で、様々なメディアに目を通す必要があります。どこに今後の新事業のヒントがあるか分かりませんので、ほぼ全ての書籍購入は経費計上できます。

接待交際費

個人事業主が取引先と一緒にカフェでお茶をする場合や、気分転換のために喫茶店で仕事をする時も経費として計上可能です。

打ち合わせの場合は「交際費」として計上し、気分転換のためにカフェで仕事をした場合などは「雑費」として計上する方が良いでしょう。

基本的には仕事に関する全ての食事代も経費として落とせます。

また現時点で取引がない会社の場合でも、「情報交換だけでも十分に仕事につながる」と言えますので、家族・恋人との食事以外はこれまたほぼ経費計上しても問題が起こることはないでしょう。

人に会う、そして食事をする、この中から多くのビジネスチャンスは生まれるものです。

ところで会社組織の場合は、接待交際費に上限がありますが、個人事業主には上限はありません。

慶弔費

取引先への香典や祝儀などの費用は、仕事の一環であるため、経費に含めても問題ありません。
しかし費用を証明するのが難しいため、招待状などを残しておき、確かにお祝いやお悔やみがあった証拠とする必要があります。

一見すると、あまり経費としては計上できないのではないかと思うようなものでも、個人事業主の確定申告時に含めることができます。
含められるものを計上しないなら、その分税金が高くなるため、節税のために経費にできるものを事前に把握しておきましょう。

経費として計上できる金額と上限は?

売上から経費を差し引いた金額が利益であり、利益に所得税がかかってくるため、正しく経費を計上することが重要です。
では、売上よりも経費の方が多くなると、問題になるのでしょうか?

法律的には経費が売り上げを上回ったとしても違法とはなりません。なぜならば、赤字会社はそのようになものだからです。それでも存続していますので、問題ありません。
つまり経費の上限は決まっていないということです。

仮に売上が500万円の個人事業主が、500万円の経費を計上するのであれば、所得税の納付は必要なくなります。

しかし、売上がある程度ある事業主の経費が、売上と同額となると、税務署から所得逃れを疑われてしまう可能性もありますので、証拠書類はしっかりと残すようにしておいてください。

経費を証明する書類を用意する

経費として計上する場合、以下のような出費を証明できる書類を保管してください。

保管すべき証拠書類
  • 請求書や納品書
  • 領収書やレシート
  • 取引のメール内容
  • 出金伝票

こうした書類は確定申告時に必要になり、保管していないなら経費として認められなくなる可能性があります。
必要書類は、確実に保管しておきましょう。

個人事業主の必要経費まとめ

経費として認められるものは、非常にたくさんあります。

とはいえなんでも経費として認められるわけではなく、仕事に関連していることが条件です。また社会通念上、適当な額であるかも重要です。

しかし経費に認められる項目は、想像していたよりも多かったという方もいるので、確定申告の前にもう一度支出を確認してみましょう。

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