梅毒の潜伏期間と初期症状

淋病と並び古くから存在し、現代では多くの方が新たに感染している性感染症が梅毒です。

梅毒は自然には治らず、必ず治療が必要になります。
一時的に症状が消えても治ったわけではなく、後々生死に関わる段階に進んでいきますので、早期治療が絶対条件の性病になります。

特に近年では梅毒に感染する若い世代が増えていることもあり、最も注意が必要な性病でもあります。
そこで梅毒の潜伏期間や初期症状に関して書いていきたいと思います。

何故梅毒が年々増えているのか?

梅毒患者数とインバウンドの関係

一時的に消えたはずの梅毒患者が、現在では年々増加しています。

これは何故でしょうか?

実はインバウンドの増加で、海外からの観光客が増えていくのに比例して梅毒患者も増加しているのがデータから見て取れます。

上の表を見ると、梅毒患者数が増え始めたのが平成25年頃です。西暦ですと2013年で自民党が政権を取り戻し、アベノミクスが始まった年です。

つまり政策により円安にし、海外からの旅行者を増やし始めたのがきっかけとなり、倍々増で感染者が増えていくことになりました。

特に中国からの観光客が日本の風俗店に行き初めてから増えているのが、一番の原因だと言われています。

よって風俗店で働く若い女性に感染者が増え、それに伴い日本人の風俗店を利用する男性客にまで感染が広がる結果となっていると言えそうです。

予防策としては、外国人客を受け入れている風俗店に行ったり、働いたりすることをやめれば、かなり感染確立は減ると思います。

梅毒とはどういう病気なのか?

what are the symptoms of syphilis

梅毒は古くから知られる性感染症の1つで、ピロヘータという病原体の梅毒トレポネーマによって引き起こされるます。

感染源としては主に性行為となり、性器接触(セックス)やオーラルセックス(キス・フェラチオ・クンニリングス)でも感染します。皮膚や粘膜の僅かな傷から侵入し、数時間で全身に行きわたるようです。

治療薬となるペニシリンが発見されるまで、不治の病として知られていましたが、現在では抗生物質も進歩したので症状の第2期までに治療開始ができれば、ほぼ100%完治することができます。

特徴としては男性は男性器の目に見える範囲に軟骨のようなしこりが出来ますので気付きますが、女性の場合は初期症状がわかりにくいことが挙げられます。

梅毒の症状は様々で偽装することが上手く、段階が進んでからようやく気づけることもあります。
先述したように近年では若者を中心に感染者の数が急増しているので、正しい知識を得ておくことが重要だと言えます。

梅毒の初期症状の出方とは(まず来るのが第1期)

梅毒の症状を語る上で有名な言葉があります。
それ3週間、3ヶ月、3年というものです。これはそれぞれの潜伏期間を指しています。

感染して3週間後には、指先くらいの大きさのしこりができます。これが第1期梅毒です。

これは梅毒に感染した部位にでるため、性器の周辺や喉・唇や口内などに出るのが一般的で、男性では亀頭部・冠状溝・包皮など、女性では大小陰唇・子宮頸部などにできることが多いです。

これは初期硬結と呼ばれるもので、ほとんどの場合痛みはありません。

男性の場合は、ペニスの見える範囲にしこりが出来ることが多いため、目視で確認ができます。
しかし女性の場合は、目視での確認ができない場合も多いため、初期症状を逃してしまうケースもあるのです。

また太ももの付け根部分にあるリンパ節の腫れも出ます。
これらは症状の厄介なところは、2週間~3週間程度で消えるケースが多いことです。(しこりについては数カ月残る場合もあります)

梅毒は「偽装の達人」とも呼ばれており、しこりがなく微熱だけで第1期梅毒から第2期梅毒へと移行してしまうケースもあるようです。

つまり自然治癒したと間違ってしまいやすいと言えます。

初期症状で微熱が続いて治らない

全員ではありませんが、微熱が続くケースも多いです。
梅毒の梅毒トレポネーマ・ウイルスが体内に入りますので、体が反応して熱を出すのです。

37℃前後の微熱が2週間以上続き、その後も原因不明の体調不良の日々が続きます。

  1. 薬を飲んでも治りません
  2. 医者に行って風邪薬を処方されても治りません
  3. 通常の抗生物質や薬は梅毒には効きません

風邪の場合は、熱が2週間以上続くことはありません。
ここが梅毒かどうかのポイントになるでしょう。

感染から放置したまま第2期に進行した場合の症状は?

最初に症状(軟骨のようなしこり)がでる3週間の段階で見逃してしますと、次に発症するのは約2~3ヶ月後のタイミングになります。
第2期梅毒とも呼ばれるのですが、この時には発疹・発熱・倦怠感・リンパ節腫脹など、全身に様々な症状が出始めます。

  • 体、顔、四肢などを中心にみられる淡い紅色の皮疹(梅毒性バラ疹)
  • 手の平や足の裏にみられる赤褐色で一部の皮がむけたような皮疹(梅毒性乾癬)
  • ピンク色をした円系のあざ
  • 小豆大からエンドウ大の赤褐色の皮疹(丘疹性梅毒疹)
  • 喉の奥が腫れる
  • 梅毒性脱毛

素人目にもわかりやすいのは、手のひらなどにでる赤茶色の発疹でしょう。
1つ2つでるのではなく、個人差もありますが肘の辺りから指先まで広範な部位にいくつも発疹がでます。

また全身に発疹が出る方も多いです。
とにかく性病で発疹が全身に出る場合は、梅毒かHIVになりますので、発疹が出たらすぐに病院と思って下さい。
ここを逃すと3年後に大変なことになります。

これらの症状も3ヶ月から3年程度で自然と消えていき、その後はしばらく症状がでません。
特に心当たりがなくとも、こうした症状がでるのなら診断を受けることが大切です。

第3期と第4期梅毒の症状について

その後感染から3年が経過すると、しこりができます。これが第3期梅毒です。
皮下組織・筋肉・骨などに大きめのしこりができ、結節性梅毒疹やゴム腫などと呼ばれています。

ただ現在では第2期梅毒までに治療を受ける方が大半ですので、そういう意味ではあまり見られることがなくなった症状です。
しかし治療を受けずにそのまま放置していると、やがて第4期梅毒に移行し、生死に関わる重篤な症状を起こします。

  • 脳障害による認知症と似た症状
  • 脊髄の病変からくる手足の麻痺
  • 大動脈瘤
  • 心臓や血管の疾患
  • 失明

以上のような症状が代表的です。

梅毒の検査とは

Syphilis Tests

梅毒が疑われる症状があった場合には、すぐに性病科のある病院で検査することをおすすめします。

検査は血液検査となり、約1週間で結果が出ます。また全国の保健所でもHIV検査と一緒に受けることもでき、この場合は大抵<匿名無料>で検査を受けることができます。

しかしそうはいっても性病で病院に行くことはとても恥ずかしいのではないでしょうか?

その場合は、病院に行く前に自分でセルフ検査キットを使って、検査することも可能です。

梅毒検査キット ■自分でできる【梅毒セルフ検査キット】

1箱(1回分)で、約3000円前後で入手可能です。

血液検査と違い、その場で感染の有無が分かりますので、とても便利です。

先天性梅毒に注意したい

何度もお伝えしますが、最近では若い世代が梅毒に感染するケースが増えています。
この時に最も気をつけたいのが、妊娠をする可能性です。

母親が梅毒に感染している場合は、胎盤を通して胎児にまで感染してしまいます。
その結果として以下のような症状があるのです。

  1. 皮疹
  2. 肝臓や脾臓が炎症を起こす
  3. 骨軟骨炎

こうした母子感染が起こりえる病気ですので、十分に注意しなくてはいけません。

梅毒は早期発見が大切な理由とは?

Syphilis treatment

ここまで見てきたように、梅毒には初期症状が出ているうちに早く治療することが大切です。
逆に放置すれば放置するほど、症状が重症化していく傾向にあります。そして治療しない限り完治することがない危険な性感染症なのです。

現在では医療技術が発達したことによって、梅毒は正しく治療を行えば4週間から8週間の内服治療で治療ができます。
ですが治療の時期が遅くなるほど、治療は大変になりますし、場合によっては症状が残ることもあるでしょう。

近年では梅毒が原因となって死亡することはほぼないと言えますが、それでも危険な病気であることには違いありません。

また先述したように母子感染してしまうケースもあります。
せっかく授かった子どもに対して、意図せず感染させてしまうのは親として本意ではないでしょう。

早期発見をするポイントはどこにあるのか

梅毒の早期発見には、やはり正しい知識が不可欠です。
性感染症で病院に行くのが恥ずかしいと思う人もいるかもしれませんが、その場合は匿名で受けられる検査などを使いましょう。
原則として専門医にかかるのがいちばんです。

ですが最近では郵送での検査や、一部の保健所で匿名の検査を行っています。

ただし梅毒には陰性期間があるため、やはり医師の問診を受けながら診断してもらうのが確実だと言えます。
パートナーがいる場合は、お互いにうつしあう状況を避けるためにも一緒に診断を受けてください。

それでも病院で診察を受けるのは恥ずかしいという場合、まずはセルフ検査キットで確認するのがベストです。このセルフ検査で陽性が出た場合は、迷わず病院(性病科)に相談してください。

■梅毒のセルフ検査キットは3000円前後で購入できます。
海外から送られてくる検査キットが待てない方、つまり急を要する方は国内で一番信用のある機関にて、オンラインで検査結果を知ることも可能です。

梅毒の原因と初期症状のまとめ

以上、梅毒の潜伏期間や初期症状についてでした。

梅毒はかつてのように不治の病ではなく、現代の医療技術であれば十分に治療ができる病気です。
ただし、それぞれの段階の間に症状が治まる傾向があるので「まあ大丈夫か」と、長らく放置をしてしまう危険性があります。

その結果として命を脅かすような重篤な症状を発することもあるので、初期症状の段階で治療することが大切です。
特に最近では若い人を中心に感染するケースが増えていますので、何らかの異変を感じたら恥ずかしがらずに診断を受けるようにしてください。

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