性感染症の中でもわかりやすい症状が特徴的な尖圭コンジローマをご存じでしょうか?
世界中で感染が見られる病気の1つで、国内でも感染者数が多いと言われています。
ここでは尖圭コンジローマについて確認をしていきましょう。
尖圭コンジローマとはどんな病気なのか?
尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで、起こる感染症です。
ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんの原因ともされるものですが、尖圭コンジローマは良性型HPV6型、11型に感染することで起こります。
ちなみにこれらのウイルスの発がん性は低いとされています。
基本的な感染経路は性行為になるのですが、皮膚や粘膜などに傷があればそこから侵入することもあるそうです。
また分娩時に産道感染を引き起こすこともあります。
尖圭コンジローマの症状とはどんなもの?
尖圭コンジローマの症状としては以下のようなものがあります。
- 性器やその周辺にいぼができる
- 痒みや痛みが伴うことがある
- 悪性型の場合は、いぼからがんに進行することもある
病原菌に感染してから約3ヶ月程度で、いぼができます。(1ヶ月~6カ月と潜伏期間にも差がある)
先が尖っている形をしているため、素人でも見た目で異変を感じ取りやすいでしょう。
尖圭コンジローマは良性の腫瘍であるため自然治癒することもありますが、感染するヒトパピローマウイルスによっては子宮頸部に侵入し、がんの要因となるとも考えられているのです。
では症状がでやすい部位についても解説します。
男性によく見られるコンジローマの箇所
- 亀頭周辺
- 亀頭の裏側にある溝部分
- 包皮
- 陰嚢
女性によく見られるコンジローマの箇所
- 大陰唇
- 小陰唇
- 膣
- 子宮頸部
他にも男女共通の部位もあります。
★肛門周辺
★尿道口
★直腸
一般的にいぼができたとしても、痛みや痒みを感じることはまれで自覚症状には乏しいと言えます。
ですが発生部位などによっては痛みを感じたり、出血することもあります。
自覚症状には乏しいですが、いぼというわかりやすい症状がでるため素人でも判断がつきやすいのが特徴です。
尖圭コンジローマの治療方法とは?
尖圭コンジローマの治療方法は2種類あります。
- 薬剤による塗布治療
- 外科的な治療
この2つの違いを見ていきます。
一般的に尖圭コンジローマの治療としては、薬剤による塗布治療を行っていくことが多いです。
性器やその周辺のいぼに対応しています。
週に3数回程度塗布する形で、2週間から4週間程度治療をします。
ただし薬剤の塗布で副作用が起こることも多く、かぶれなどが起きた場合はすぐに使用を中止して、医師に相談してください。
▲コンジローマの治療で使われるジェネリック医薬品
いぼが小さい場合は、塗布治療だけで治るケースが多いです。
いぼが大きい場合などに薬剤塗布による治療ではなく、外科的な治療が行われています。
外科的治療方法は次のようなものがあります。
- 麻酔をした上でメスによる切除
- レーザーを使っての焼灼
- 液体窒素を使った凍結療法
この内のどれを選択するかは、いぼの大きさや数、できた場所などによって決められます。
尖圭コンジローマは完治するの?
尖圭コンジローマは治療によって治癒が可能です。
ただ薬剤塗布、外科的処置のいずれを行ったとしても、再発する可能性はあると言えます。
そのため数ヶ月は通院を継続しつつ、経過観察をするのが重要だとされるのです。
ちなみに焼灼をした場合の再発率は18.3%で、再発までの期間は平均して3ヶ月程度になります。
再発する理由としては治療をしても、皮膚の奥にヒトパピローマウイルスが侵入している可能性もあるためです。
尖圭コンジローマは予防できる?
尖圭コンジローマの予防法として一般的なのは、コンドームを使うことです。
ただしコンドームだけでは完全に予防できません。
これに変わる方法としては、ワクチン摂取があります。
ヒトパピローマウイルスに対して効果的なワクチンがあるのですが、実は副作用があるともされるのです。
厚生労働省にも専用のウェブサイトがあるほどで、本来の目的としては子宮頸がんの予防となります。
ただし厚生労働省でも積極的な推奨はしていません。
予防という点で言えば、パートナーへの感染も注意すべきです。
いぼができるという分かりやすい症状がでる尖圭コンジローマですが、やはり見落としてしまうことはあります。
その時にパートナーがいるのなら、感染している確率が高いため診断を受けた方がいいでしょう。
性感染症関連の告白をするのは、パートナーに対していい感情を抱かれにくいものです。
ですが症状が重篤化してからでは遅いので、自分に異変を感じた時は素直に話すようにしてください。
特に注意したいのが既婚者の男性が、性風俗などにいって感染したというケースです。
産道感染で奥さんだけではなく、子どもにも感染するリスクがあるので初期対応が必要となります。
尖圭コンジローマまとめ
ヒトパピローマウイルス(PHV)に感染することで発症する性感染症で、代表的な症状としては性器やその周辺にできるイボになります。
見た目にわかりやすい症状なので、素人でも気づきやすいのが特徴だと言えます。
ただし見えにくい場所にできることもあり、いぼに痛みや痒みなどがないので気づきにくい可能性もあります。
治療としては薬剤塗布や外科的な処置が一般的です。