銃器(ライフル・ピストル)を使い標的を撃ち抜く射撃競技は、すでにオリンピック種目に採用され100年以上の歴史があるスポーツです。
射撃が的に命中した時の爽快感は、例え自分でプレーしなくても、観戦しているだけでも、十分に楽しめるものです。
射撃競技には次の2つがあります。
- クレー射撃
- ライフル射撃
日本の芸能人でもヒロミさんや加藤浩次さんがクレー射撃の愛好家として知られ、TBSの【炎の体育会TV】でその腕前を披露しているので、興味がある方も大勢いるかと思います。
ここでは、それぞれの射撃競技におけるルールや種目、大会に関する情報をご紹介していきます。
ルールを詳細に理解すると、射撃競技はより面白くなります。
射撃競技の歴史
ライフル射撃がスポーツとして初めてオリンピックに採用されたのは、1896年第1回のアテネ大会からです。
クレー射撃が競技として採用されたのは1900年のオリンピックからです。
クレー射撃とライフル射撃で良い成績を残している国はアメリカやイタリアなど、職業として銃を扱う国です。
とは言え、近年では中国や日本など、アジアの選手の国際大会における成績も上昇してきています。
射撃競技のルール
射撃競技で争われるのは、ライフルやピストルを使用して標的をどれだけ正確に撃つことができるのかという事です。
クレー射撃のルール
クレー射撃で使用される銃器は散弾銃で、空中に放出された標的の陶器の皿(クレー)を撃ち抜きます。
標的の数をどれだけ撃ち抜けるのかによって勝敗が決まります。
秒速300mになる散弾銃で、空中に放出される秒速22mから30mのクレーを破砕するため、的確な判断力と集中力が要求されます。
ライフル射撃のルール
ライフル射撃では、10mから50m離れた場所にある標的の中心をライフルとピストルを使用して打ち抜きます。
- ライフル射撃10mの標的:直径4.55cm
- ライフル射撃50mの標的:直径15.44cm
- ピストル射撃10mの標的:直径15.55cm
- ピストル射撃25mの標的:直径50cm
- ピストル射撃50mの標的:直径50cm
かなり離れた場所にある小さな標的の中心をライフルとピストルで撃ち抜く競技であるため、高い集中力が求められます。
ライフル射撃50mでは、次の3つの姿勢で標的を狙います。
- 伏射:伏せた状態で銃を構える姿勢
- 立射:立った状態
- 膝射:片膝の上に銃を構える姿勢
ライフル射撃10mでは、立射のみによる射撃です。
ではライフル射撃やクレー射撃の種目について見ていきましょう。
ライフル射撃競技の種目と採点方法
オリンピックに採用されている射撃競技の種目は次のようなもので、ライフル射撃は10種目になります。
- 男子女子10mエアライフル(男女混合で3種目)
- 男子女子50mライフル三姿勢(男女で2種目)
- 男子女子10mエアピストル(男女混合で3種目)
- 女子25mピストル
- 男子25mラピッドファイアピストル
男子女子10mエアライフル(男女で3種目)
空気式のライフルを使用して、10m離れた標的を撃ち抜く精度を競います。
男子1時間15分・女子50分という制限時間内に男子60発、女子40発を撃ち、着弾点の精度を争います。
男子女子50mライフル三姿勢(男女で2種目)
伏射・立射・膝射という3姿勢で50m先の標的を撃ち、着弾点の精度を争う種目です。
男子の制限時間は2時間45分、女子は2時間15分であり、それぞれの姿勢で40発ずつ使用します。
男子女子10mエアピストル(男女混合で3種目)
エアピストルを使用して10m先の標的を撃ち精度を争います。
男子が1時間45分、女子が50分という制限時間内に、男子60発と女子40発の弾丸を使用します。
女子25mピストル
伏射姿勢で精密射撃と速射射撃の2つを競い合います。
前半では5分間で5発の射撃を6回標的に向かって行い、後半では射撃可能時間3秒間に標的を射撃する事を6回繰り返します。
男子25mラピッドファイアピストル
8秒・6秒・4秒という規定された時間内に、5つの標的を射撃します。
試されるのは速射射撃であり、2回の射撃を繰り返します。
クレー射撃種目と採点方法(5種目)
クレー射撃には以下のような5種目があります。
- 男子女子トラップ(男女混合で3種目)
- 男子女子スキート(男女で2種目)
それぞれのルールについて解説していきます。
男子女子トラップ(男女混合で3種目)
トラップとは、地下にある投射装置から方向と高さがランダムに発射される1枚のクレーを撃ち落とす競技です。
1枚のクレーに使用できる弾数は2発と決まっており、撃ち落とした数で勝敗が決まります。
男子女子スキート(男女で2種目)
スキートとは、左右2箇所に設置されている放射装置から同時に発射される2枚もしくは1枚のクレーを打ち壊す競技です。
クレー1枚につき1発の弾丸しか使用することができず、打ち壊す度に1点がプラスされ合計点を競います。
射撃競技の代表的な国際大会
ライフル射撃やクレー射撃には以下のような大会があり、規模の大きな順に並べています。
- 夏季オリンピック:4年に一度
- アジア大会:4年に一度
- 世界射撃選手権(ISSF):開催時期4月から
- 国民体育大会:10月
- 全日本選抜ライフル射撃競技大会:4月
- 春季ピストル射撃競技大会:4月5月
上記3大会は国際大会であるため、とても大きな大会です。
日本は海外と比べると射撃競技の人口が少ないものの、1年を通じて日本各地で射撃大会が開催されています。
射撃(ライフル・クレー)まとめ
ライフル射撃やクレー射撃の大会に参加する方の多くは、自衛隊など仕事で銃を扱う方です。
こちらで紹介した射撃競技の種目はオリンピックで採用されている種目であるため、大会によってさらに種目はさらに多くなります。
あまり動きがない射撃競技ですが、数時間にわたって集中力を持続させなければならず、見た目以上に過酷なスポーツです。
普段接することのないライフルやピストルを使用した競技であり、非日常を感じることができるので、一度観戦されることをおすすめします。