ビジネスをする以上、売上アップとともに節税対策は必須と言えます。
また個人事業主や中小企業、零細企業オーナーになると、退職金などの問題から将来に不安を感じる方もいることでしょう。
個人事業主や小規模事業の経営者にとって、節税と退職金の問題を同時に解決できるアイテムとして【小規模企業共済】というものがあります。
この記事では、小規模企業共済に関して以下のような内容を説明しています。
- 小規模企業共済とは?
- 退職金になるとはどのような意味か
- 実際の利用方法
- 毎年大きな節税効果がある
以上の内容を解説していますので参考にしてください。
小規模企業共済とはどのようなもの?
ある程度の規模の会社経営者ともなれば、退職金に関して財政的に心配をする必要はあまりないかもしれません。
しかし個人事業主やフリーランスで働いている方、中小企業や零細企業のオーナー社長には、退職金の心配がずっと付いてまわるものです。
特に多くの個人事業主の方は、退職金なんて無縁のものと感じているかもしれません。
しかし小規模企業共済の制度を利用することで、個人事業主の方でも仕事を辞めた時に、一時的にまとまった金額を受け取ることができます。
つまり簡単に言えば、小規模企業共済とは個人事業主にとって、会社員の退職金のようなものなのです。もちろん小規模事業の会社経営者にとっても同じことです。
小規模企業共済が退職金になるという意味
小規模企業共済とは、個人事業主やフリーランス、中小企業や零細企業の経営者が独立行政法人中小企業基盤整備機構、省略して中小機構と呼ばれるところに在職中にお金を積み立てる方法です。
中小機構にお金を積み立てることで、仕事を辞める時に積み立てたお金を退職金のように受け取れるようになります。
中小機構は、以下のように信頼できる団体です。
- すでに40年の歴史がある
- 132万人以上の方が利用している
- 国が100%出資している独立行政法人
これまでに40年以上利用されている
あまり知られていないため、中小機構と聞くと不安を感じる方もいるようですが、これまでに40年の運営実績があります。
これは自身のお金を預ける上で、重要な要素です。
すでに利用者が138万人以上いる
小規模企業共済に加入しているのは、個人事業主だけではなく、小規模企業の役員や共同経営者も含めて138万人にもなります。
利用者が多いことも、信頼性の証になるでしょう。
国が全額出資した独立行政法人
中小機構は、独立行政法人として国が100%出資をして立ち上げた機関です。
国家による出資であることは、どんな保証よりも安心できる要素と言えます。
中小機構は国家が絡んでいますので、ほぼ100%安全で、安心して積み立てが可能になっています。
では具体的な利用方法を確認してみましょう。
小規模企業共済を利用する方法
小規模企業共済を検討している場合、まず下記のステップで申し込みをする事ができます。
- 問い合わせ
- 必要書類を入手
- 窓口へ提出
- 中小機構から小規模企業共済手帳としおり及び約款が届きます。
問い合わせは3つの方法
小規模企業共済を利用するには要求されている条件に適っている必要があります。
まずは利用できる立場にいるのか問い合わせて見ることをおすすめします。
★コールセンター:050-5541-7171(平日9時から18時)
★チャット:中小機構HP
★問い合わせフォーム:中小機構HP
こちらの3つの方法で事前に必要事項を確認しておきましょう。
必要書類を入手
必要書類には、次の2つのタイプがあります。
- 中小機構の様式書類
契約申込書と預金口座振替申出書の2種類
(契約申込書は、中小機構のHPにPDFファイルがあるのでダウンロードすることができます) - 自身で用意する申込みに必要な書類
★個人事業主:確定申告書の控え
★法人役員:商業登記簿謄本など役員登記されていることを証明する書類
★共同経営者:確定申告書の控えと共同経営契約書の写し、国民健康保険税申告書など
以上の書類を準備して、中小機構が契約している都市銀行や地方銀行、信用金庫などの金融機関の窓口で加入手続きをしてください。
どの金融機関が対応しているのかは、最初の問い合わせで確認するようにしましょう。
手続き終了後、約40日で手帳と約款が自宅に届きます。
小規模企業共済の節税効果はかなり凄い
小規模企業共済に申し込むと、毎月1,000円から70,000円まで積立ができます。
積立金は全額所得控除の対象となり、最高で年間84万円の節税を行えるため、所得税や住民税の支払いがかなり少なくなります。実際には年末調整や確定申告でお金が戻ってきます。
個人事業主や経営者にとって、小規模企業共済は退職金の準備に加えて、節税まで可能な便利な方法と言えます。
ただし1点だけ注意しなければならないことがあります
それは積立期間が20年未満の段階で解約してしまう場合、元金割れを起こすことです。
仮に84ヶ月未満で契約を解除してしまうなら、支給割合は80%にまで落ちてしまいます。
その反面、20年以上の積立には、利息が加算されて100%以上で返ってきますので、大変お得になります。
小規模企業共済まとめ
小規模企業共済は、経営者や個人事業主にとって重要な、節税と退職金の問題を両方とも解決してくれる優れた方法です。
掛け金も月1,000円から積み立てることができるので、大きな負担とはならないでしょう。
国の出資である独立行政法人が運営している安心感もあるので、将来のために積極的に検討できます。
大きな特徴としては、
- 20年以上積み立てることにより、元本を超えた金額が、退職後に手に入る。
- 毎年の積立金の全額が控除となるため、掛け金が多ければ多いほど、節税になる。
例えば毎年84万円の満額を積み立てる人は、年末調整で毎年30万前後が返ってきます。
(私がそうです。年収により税率との兼ね合いがありますので、正確な数字は個人で計算してください)
つまり事業をやめたあとに、元本を大きく超えるだけのお金が返ってくるのに、さらに毎年の節税効果があり、例えば満額積み立ての人は、毎年30万が返ってくる。ということは、小規模企業共済の節税効果は20年で600万円以上もあるということです。
- 掛けたお金が増えて返ってくる
- プラスして、満額の掛け金の場合は、20年で600万円以上も得をする
以上の1と2のメリットが両方とも手に入るのが小規模共済なのです。「経営者や個人事業主なら入らなければおかしい」と思える理由はここにあります。