別会社(子会社)を作って節税する方法~別会社を設立すると何が得なのか?

法人にとって支払う税金を少しでも抑えるために行うのが節税ですが、その対策のひとつとして別会社を作る方法があります。

節税自体を主な目的として設立するケースも少なくなく、うまく運用すれば大きな効果が期待できます。
別会社を作ることがなぜ節税になるのか、そのメカニズムとメリット・デメリットを解説します。

もう一つ別会社を作ることが節税になる理由

納める税金を少なく抑える節税はあらゆる法人にとって必須ともいえる作業ですが、その一手段として以前から行われているのが別会社の設立です。
別会社を作ることが節税につながるといわれる理由は、主に次の3点です。

  1. 法人税率を抑えられる
  2. 損金算入できる額が増える
  3. 消費税の免税を受けられる

まずは今の会社とは別にもう一つの会社を設立することによって得られるメリットをみてきます。

法人税率を抑えられる

中小企業や一般社団法人の場合、年間の所得に応じて課せられる法人税率は800万円以下の所得に対し15%、800万円を超える所得に対し23.2%となっています。

800万以下の所得に対する15%という税率は令和元年(2019年)3月31日以後に開始する事業年度について適用されるもので、平成28年(2016年)4月1日以後その時点までに開始する事業年度については19%となります。

別会社を作り所得を分けることで、この所得による税率の違いを利用して全体の税額を抑えることができます。
例を挙げましょう。

元の会社に年間1,000万円の所得があった場合、単独では800万円×15% + 200万円×23.2%で合計166.4万円の所得税が課せられます。
これに対し別会社を作って利益を半分に分けた場合は500万円×15% + 500万円×15%で合計150万円の所得税となり、13.6万円の節税ができることになります。

損金算入できる額が増える

損金とは資産の減少をきたす原価や費用、損失のことで、個人事業主の場合でいう必要経費にあたるものです。
法人税は益金から損金を引いた額に対して課せられるため、損金算入することはその分だけ課税対象となる益金を減らして節税できることを意味します。

別会社を設立すると損金算入をそれぞれで行えるため、トータルとして計上できる損金を増やし節税を行うことができます。

中小企業は交際費を年間800万円もしくは接待飲食費の50%まで損金算入できますが、別会社を作ることでその額を合計1,600万円分まで増やせることになるのです。

役員を別会社へと転籍させることで役員報酬や退職金なども損金算入できるため、その分節税になります。
ただし税法上の規制で損金不算入となる場合もあるため、要件はよく確認しておきましょう。

消費是税が免税される

新設会社は特例として消費税の免税を最大2期にわたって受けることができます。
別会社を法人として設立した場合も特例の対象となるため、免税分の節税になるわけです。

1期目の免税が適用される要件は資本金が1,000万円未満であることなので、1,000万円を超える資金がある場合にはそれらを資本準備金として勘定する、個人から会社への貸付金とするなどの工夫を行うのも一つの対策です。

2期目の要件は次のいずれかを満たすことです。

  • 特定期間の課税売上高が1,000万円以下であること
  • 特定期間の給与等支払総額が1,000万円以下であること

特定期間とは、法人の場合原則として前事業年度開始日以後6ヶ月の期間を指します。
消費税率は今後も上がっていくことが予想されるため、この部分の免税適用は大きな節税ポイントとなります。

別会社の設立にはデメリットも

ここまで説明してきた節税の根拠は、もともと中小企業が税制面で優遇されている点と基本的には同じ部分です。
別会社を設立する分その枠が増えるため、メリットを多く享受できると考えてもよいでしょう。

ただしもちろんメリットばかりではなく、次のようなデメリットもあります。

  1. 設立と維持にコストがかかる
  2. 税務署の指摘を受ける可能性がある
  3. 事務や経理作業が煩雑になる

別会社を設立するには手間や時間、金銭等のコストがかかりますし、会社を維持する場合についても同様です。当然税理士費用も倍(2社分)かかります。
また別会社の運営に実態がないなどの場合は、設立自体を租税回避目的とみなされ税務署の調査を受ける可能性も否定できません。

経費の確認や申告といった事務手続きも会社ごとに行う必要があるため、業務が煩雑になります。さらに交際費を使える枠が倍になるからと言っても、実際に毎年どれだけの交際費を支出しているか、現状を把握することも大切です。それほど交際費を使っていない場合は、枠が倍になっても意味はありません。

別会社の設立に際しては、こうしたデメリットやリスクも含めたうえで節税効果を総合的に判断することが必要です。

別会社を作って節税する方法のまとめ

法人が支払う税金を少しでも抑える節税対策の一環として、別会社を作るという方法があります。
別会社を設立することで全体の法人税率が抑えられる、損金算入の額が増やせる、消費税の免税適用が受けられるなどの節税効果が期待できます。

ただし税制面で場合によって制限がかかることがあるため、要件は事前によく確認しておく必要があります。
また新たに会社を設立しそれを維持するコストなどもよく勘案し、総合的に考えて効率的な節税を行いましょう。

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